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ペガサス:メドゥーサの血から生まれた天馬【星座・伝説の起源】

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ペガサス / Pegasus
ペガサス

ペガサス

Pegasus
ギリシャ神話聖獣 / 幻獣
危険度★★
大きさ一般的な馬より一回り大きい
特殊能力飛行、蹄で泉を湧かせる
弱点慢心(乗り手)
主な登場
聖闘士星矢遊戯王ファイアーエムブレムヘラクレス(ディズニー)

純白の翼を広げ、天空を優雅に舞う天馬ペガサス。ファンタジー作品では「清廉」「高貴」の象徴として描かれることが多いこの美しい幻獣ですが、その出生は意外にも血塗られたものでした。英雄ペルセウスによって首を切り落とされたメドゥーサの断面から飛び出したという衝撃的な誕生譚を持つペガサス。今回は、美しくも数奇な運命を辿った天馬の物語を紐解いていきます。

怪物から生まれた聖なる馬

メドゥーサの血とポセイドンの種

ペガサスの父親は、海神ポセイドンだと言われています。かつて美しい人間の女性だったメドゥーサは、ポセイドンと恋仲(あるいは強引な関係)にありましたが、アテナの怒りを買って怪物に変えられてしまいました。 その後、英雄ペルセウスメドゥーサを討伐した際、彼女は妊娠していました。首が切り落とされたその瞬間、噴き出る血飛沫の中から、黄金の剣を持った巨人クリュサオルと共に、真っ白な翼を持つ馬ペガサスが誕生したのです。

名前の由来

「ペガサス(Pegasus)」という名前は、ギリシャ語の「ペーゲー(泉)」に由来すると考えられています。彼が生まれた場所がオーケアノスの水源近くだったから、あるいは彼が蹄で大地を蹴ると泉が湧き出るという伝説から来ています。実際、ミューズたちが住むヘリコン山には、ペガサスが蹴って湧き出させた「ヒッポクレネ(馬の泉)」という霊泉が存在し、この水を飲むと詩的なインスピレーションが湧くと信じられていました。

英雄ベレロポンとの冒険

キマイラ退治の相棒

ペガサスを語る上で欠かせないのが、英雄ベレロポン(ベレロフォーン)の存在です。彼はコリントスの若き英雄でしたが、とある事情でリュキア王から「怪物キマイラを退治せよ」という無理難題を押し付けられました。 火を吐く獅子・山羊・蛇の複合獣であるキマイラを倒すには、空からの攻撃が必要でした。ベレロポンは予言者ポリエイドスの助言に従い、アテナの神殿で眠り、夢の中で黄金の手綱を授かります。彼は水飲み場に来ていたペガサスにこの手綱を付けることで、見事に乗りこなすことに成功しました。

空中戦での勝利

ペガサスに乗ったベレロポンは、上空からキマイラを翻弄しました。強力な火炎放射も、空高く飛ぶペガサスには届きません。ベレロポンは鉛の塊をつけた槍をキマイラの口に投げ込みました。火の熱で鉛が溶け、喉を焼き尽くされたキマイラはついに絶命しました。これは、ギリシャ神話における「空中戦」の最も有名なエピソードの一つです。

驕りと墜落

天を目指した英雄の末路

数々の武勲を立てたベレロポンでしたが、やがて彼は増長し、「自分は神々に並ぶ存在だ」と考えるようになってしまいました。彼はペガサスに乗り、神々の住むオリンポス山へ直接行こうとしました。 この傲慢さに激怒した全能神ゼウスは、一匹の虻(アブ)を放ちました。アブに刺されたペガサスは驚いて暴れ、ベレロポンを背中から振り落としてしまいました。英雄は地上に真っ逆さまに落ち、一命は取り留めたものの、足が不自由になり、誰からも顧みられない孤独な放浪者として生涯を終えました。

星座になった天馬

主を失ったペガサスですが、彼はそのまま天へと昇り、ゼウスの館に迎え入れられました。ゼウスはペガサスを気に入り、自身の雷霆(ケラウノス)を運ぶ役目を与えました。その功績により、彼は夜空に輝く「ペガスス座」となったのです。秋の夜空に見える「秋の四辺形」は、ペガサスの胴体部分にあたります。

現代文化におけるペガサス

企業のロゴとして

ペガサスは「速さ」「飛翔」「不死」の象徴として、多くの企業のロゴマークに採用されています。特に石油会社モービルのロゴ(赤いペガサス)は有名です。また、郵便や輸送サービスのシンボルとしても愛されています。

ファンタジー作品

現代のゲームやアニメでは、ユニコーンと混同されることも多いですが、明確な違いは「翼の有無」です。ユニコーンは角がありますが翼はなく、ペガサスは翼がありますが角はありません(両方持つ個体はアリコーンと呼ばれることもあります)。 『聖闘士星矢』では主人公の守護星座として登場し、その知名度を不動のものにしました。また、『遊戯王』シリーズなどでも、幻想的で強力なモンスターとしておなじみです。

【考察】水と風の性質

ポセイドンの血統

父親が海神ポセイドンであることから、ペガサスは「水」の属性を秘めています。蹄で泉を湧かせる能力もそれに由来します。一方で、空を飛ぶ姿は「風」そのものです。水(生命の源)と風(精神の自由)の両方を体現する存在だからこそ、芸術家や詩人に愛され、インスピレーションの象徴とされてきたのでしょう。 また、母メドゥーサの「恐怖」という負の側面から、「美」という正の側面(ペガサス)が生まれたことは、物事の二面性や、苦難からの昇華を表しているとも解釈できます。

まとめ

怪物の血から生まれながら、最も高潔な存在として天に昇ったペガサス。その翼は、私たちに「困難な出自であっても、自身の行い次第で星になれる」という希望を教えてくれているのかもしれません。