円卓の騎士の中でも最古参であり、アーサー王の甥として絶大な信頼を置かれた「太陽の騎士」ガウェイン。彼は礼儀正しく誠実でありながら、ある時間帯だけ無敵の強さを誇る特殊な体質を持っていました。聖剣ガラティーンを振るい、不気味な「緑の騎士」からの挑戦を受けた彼の、武勇と高潔さの物語。
太陽の加護を持つ忠義の戦士
聖者の数字
ガウェイン最大の特徴は、「午前9時から正午までの3時間、力が3倍になる」という特異体質です。この時間帯の彼はランスロットさえも圧倒する無敵の強さを誇り、「太陽の騎士」の異名をとりました。愛剣は、エクスカリバーの姉妹剣とされる転輪する勝利の剣(ガラティーン)。太陽の如く灼熱の光を放ち、敵を焼き尽くします。
家族思いの兄
彼はオークニーのロト王の息子で、ガレス、ガヘリス、アグラヴェインといった弟たちがいます。弟たちを非常に大切にしていましたが、それが後にランスロットとの決定的な決裂(弟殺しの復讐)へと繋がり、円卓崩壊の一因となってしまいました。
ガウェイン卿と緑の騎士
恐怖の首切りゲーム
クリスマスの宴の最中、全身が緑色の不気味な巨人が現れ、「私に一撃を食らわせた者に、1年後に首を斬られる権利を与えよう」と挑発します。ガウェインはこれを受け、巨人の首を刎ねますが、巨人は平然と自分の首を拾い上げて立ち去りました。 1年後、約束を守るために緑の礼拝堂へ向かったガウェイン。そこで彼は、勇気だけでなく「誠実さ」を試される数々の誘惑の試練を受けます。この物語は騎士道文学の傑作として知られています。
現代作品でのガウェイン
Fate/EXTRA & FGO
『Fate』シリーズでは、忠義に厚いがやや融通の利かない「ゴリラ(物理で解決)」キャラとして愛されています。スキル「聖者の数字」もしっかり再現されており、日中のフィールドでは驚異的なバフがかかります。また、「バッシュ!」といってマッシュポテトばかり作る料理下手の設定も付与されました。
原典とのギャップ
初期の伝承ではランスロット以上の活躍を見せる完璧な主人公格でしたが、後期のフランス系物語ではランスロットを引き立てるために「粗暴な復讐鬼」として格下げされる憂き目に遭いました。
【考察】ケルトの太陽神の名残
ルー神との関係
ガウェインの「太陽の力で強くなる」という性質は、ケルト神話の光の神ルー(Lugh)や、クー・フーリンの持つ太陽神話的要素が起源だと考えられています。アーサー王伝説がキリスト教化する以前の、土着の太陽信仰の記憶を色濃く残しているキャラクターなのです。
まとめ
昼は無敵の英雄、夜は誠実な紳士。ガウェインは騎士道の理想と、人間的な弱さや復讐心を併せ持つ、深みのあるキャラクターとして今も愛され続けています。