破壊と創造の神シヴァが振るう最強の三叉槍、トリシューラ。その三つの穂先は「創造」「維持」「破壊」を表し、世界そのものを書き換えるほどの力を秘めているとされます。
シヴァ神の象徴
三つの意味
トリシューラ(Tri-shula)はサンスクリット語で「三つの槍」を意味します。これは「過去・現在・未来」の時間の流れや、「天界・地上・地下」の三界、さらにはシヴァの第三の目とも関連付けられています。
ガネーシャの首
神話において、シヴァが息子ガネーシャ(当時は人間の頭を持っていた)の首を切り落とした際に使ったのも、このトリシューラだとされています(後に象の頭がすげ替えられました)。
絶対的な破壊力
武器としての能力
物理的な攻撃だけでなく、精神や霊的な障害をも断ち切る力を持つとされ、修行者(サドゥー)たちは煩悩を断つ象徴として模造品を持ち歩くこともあります。
日本の仏教へ
仏教に取り入れられ、不動明王などが持つ法具「三鈷杵(さんこしょ)」の起源の一つとも考えられています。
ゲームでの扱い
最強クラスの槍
FFシリーズや女神転生シリーズなど、多くのRPGで最強ランクの槍として登場。時には氷属性などの付加要素が加えられることもあります(遊戯王の氷結界の龍トリシューラなど)。
三つの機能の象徴
ヒンドゥー教において「3」は重要な数字です。トリシューラは「創造・維持・破壊」の三機能(トリムルティ)だけでなく、「過去・現在・未来」という時間の三相、あるいは「天界・地上・地下」という三界をも象徴しています。
パールヴァティーとガネーシャ
シヴァの妻パールヴァティーも、化身であるドゥルガー女神としてトリシューラを振るいます。また、息子ガネーシャの首を誤って切り落としてしまったのも、シヴァが投げたこのトリシューラによるものでした(後に象の首をすげ替えて復活)。
ヨーガと身体論
ヒンドゥー教の身体論やヨーガにおいて、トリシューラは人体のエネルギーライン(ナディ)を象徴することもあります。中央のスシュムナー管、左のイダー管、右のピンガラー管が交わる様子を表し、精神的な覚醒とクンダリニーの上昇を意味する神秘的なシンボルです。
守護の護符
宗教的な儀式や祭礼において、トリシューラの意匠は魔除けや守護のシンボルとして広く用いられています。寺院の屋根や入り口に飾られることも多く、シヴァ神の加護によって悪霊や災いを退ける力があると信じられています。
まとめ
トリシューラは、その強力な能力やエピソードから、現代の多くの作品でも重要な役割を担っています。インド神話を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。