インドの商店や家の玄関には必ずと言っていいほど飾られている、太鼓腹で象の頭を持つ神様。商売繁盛、学問成就、そして「あらゆる障害を取り除く神」として、インドだけでなく世界中で愛されるスーパーラッキーゴッド、ガネーシャ。なぜ少年の体に象の頭がついているのか?その衝撃的な誕生エピソードと、折れた牙に隠された真面目な理由を紹介します。
なぜ頭が象なのか?
父シヴァによる斬首事件
ガネーシャは、破壊神シヴァの妻パールヴァティーが、自分の体の垢(あか)をこすって人形を作り、それに命を吹き込んで生まれました(垢から生まれたにしては美少年でした)。ある日、母の入浴中の見張りをしていた時、遠征から帰ってきた父シヴァが部屋に入ろうとしました。お互いに顔を知らなかったため、ガネーシャは頑として父を通さず、怒ったシヴァは三叉槍で息子の首をはねて遠くへ投げ飛ばしてしまいました。
象の首での蘇生
パールヴァティーが嘆き悲しむのを見て、シヴァは自分が殺したのが息子だと知ります。首を探しに行かせましたがどうしても見つからず、代わりに北を向いて寝ていた最初の動物の首を持ち帰ってくっつけました。それがたまたま「象」だったのです。こうして象の頭を持つ神として復活しました。
学問と富の神として
折れた片方の牙
彼の右の牙は折れています。これは、インドの長編叙事詩「マハーバーラタ」を聖仙ヴィヤーサから口述筆記する際、途中でペンが折れてしまったので、自らの牙をバキッと折ってペンの代わりにして書き続けたからです。このことから、学問や文学の神としても篤く信仰されています。
日本での姿(歓喜天)
仏教に取り入れられて日本に伝来し、「歓喜天(かんぎてん)」または「聖天(しょうてん)」と呼ばれています。多くは二体の象が抱き合った姿で表され、夫婦円満や子授けの神として信仰されていますが、強大な力を持つため秘仏(非公開)とされることが多い、少し怖い神様でもあります。
まとめ
ガネーシャは、そのユニークな見た目と、理不尽な悲劇を乗り越えた強さで、私たちの人生に立ちふさがる障害を笑い飛ばし、どかしてくれる、とても頼もしい神様です。