関羽には「青龍偃月刀」、張飛には「蛇矛」。そして長兄である劉備玄徳には「雌雄一対の剣」があります。豪快な弟たちの武器に比べると派手さは控えめですが、二つの剣を操るそのスタイルは、攻守のバランスと、あらゆる人材を受け入れる劉備の「器の広さ」を表しているかのようです。
桃園の誓いと共に
義勇軍の結成
黄巾の乱を鎮めるために立ち上がった劉備、関羽、張飛の三人は、商人から資金援助を受け、それぞれの武器を作らせました。この時、劉備のために打たれたのが二振りの剣でした。「雌雄」の名が示す通り、男剣と女剣のペアであるとされ、陰陽の調和を象徴しています。
虎牢関の戦い
呂布との激闘
最強の武将・呂布に対し、張飛と関羽が二人がかりで挑んでも決着がつかない中、劉備はこの双剣を振るって加勢しました。三兄弟の連携攻撃は、さしもの呂布をも撤退させるほどの威力を発揮しました。このシーンは『三英戦呂布』として京劇などの演目にもなっています。
仁の剣
劉備は物語の中で剣を捨てることもありますが、最終的には皇帝の位に上り詰めるまで戦い続けました。この剣は、平和を願いながらも戦わざるを得ない彼の宿命と、二人の義弟との絆そのものです。
まとめ
一振りでは頼りなくとも、二振り合わされば強くなる。雌雄一対の剣は、人との絆を力に変える劉備玄徳という英雄の在り方を、そのまま形にしたような武器なのです。