三国志において「最強」の代名詞といえば呂布奉先。その強さは一騎当千どころか万夫不当、しかしその生き様は裏切りに次ぐ裏切りという、強烈な二面性を持つ傑物です。「人中に呂布あり、馬中に赤兎あり」と称えられたその武勇は、敵味方問わず恐怖と畏敬の対象でした。愛馬・赤兎馬を駆り、方天画戟を振るう彼の姿は、三国志演義における最大の花形と言えるでしょう。
飛将軍の武勇
三兄弟を相手に
彼の強さを最も象徴するのが「虎牢関の戦い」です。劉備・関羽・張飛という三人の豪傑を同時に相手にしながら、互角以上に渡り合った呂布の化け物じみた強さは、読者に強烈なインパクトを与えました。
赤兎馬とのコンビ
「一日に千里を駆ける」と言われる伝説の名馬・赤兎馬。この馬を乗りこなせるのは呂布(と後の関羽)だけでした。紅蓮の炎のような馬と、金色の鎧をまとった呂布の姿は、戦場において死神そのものでした。彼の弓術もまた神業で、「轅門の射撃」では、はるか遠くにある戟の小枝を射抜いて、劉備と紀霊の争いを仲裁したというエピソードもあります。
裏切りの軌跡
養父殺し
武勇には優れていましたが、呂布は節義や忠誠心に欠けていました。最初は丁原に仕えましたが、名馬と金銀に釣られて丁原を殺し、董卓の養子となります。しかしその董卓との関係も、美女・貂蝉を巡る「連環の計」によって破綻し、最終的には自らの手で董卓を惨殺します。
悲惨な末路
その後も各地を放浪し、劉備を頼ったかと思えば裏切って城を奪うなど、信頼を失い続けます。最後は曹操軍に下邳で包囲され、部下の裏切りによって捕らえられました。「縄がきつすぎる」と訴える彼に、曹操は「虎を縛るのにきつくしないわけにはいかん」と答えたといいます。命乞いも虚しく、彼は処刑され、その生涯を閉じました。
ゲーム・漫画での呂布
最強のラスボス
「真・三國無双」シリーズでは、「呂布だー!」「逃げろ!」という台詞がお馴染みになるほど、プレイヤーにとってトラウマ級の強敵として描かれます。BGMが変わるだけで絶望感を味わえるキャラクターは彼くらいでしょう。
Fateシリーズ
『Fate/EXTRA』や『FGO』ではバーサーカーとして登場。言語による意思疎通は不可能ですが、その戦闘力はサーヴァントの中でもトップクラス。また、『終末のワルキューレ』では人類代表としてトール神と戦うなど、最強キャラとしての地位は揺るぎません。
まとめ
呂布は、道徳や義理とは無縁の「純粋な暴力」の象徴として、そのシンプルゆえの恐ろしさと魅力で我々を惹きつけます。裏切りさえも彼の強さの一部として、認めざるを得ない迫力がそこにはあるのです。