オルフェウスの竪琴(Lyre of Orpheus) は、音楽の力が物理的な法則や死の運命さえも超えることを示した、神話上最も有名な楽器です。もとはヘルメスが亀の甲羅から作り、アポロンに譲ったもので、後にオルフェウスの手に渡りました。彼がこれを奏でると、川の流れは止まり、木々は踊り出し、獰猛な獣たちは大人しく聞き入ったと伝えられます。
死を超えた演奏
冥界への旅
亡き妻エウリュディケを取り戻すため、オルフェウスは生きたまま冥界へ降りました。地獄の番犬ケルベロスも、渡し守カロンも、彼の奏でる悲しくも美しい旋律に心を奪われ、道を通しました。そして冥王ハデスと妃ペルセポネさえも涙を流し、妻を連れ帰ることを許可しました(「振り向いてはならない」という条件付きで)。
星になった琴
オルフェウスの死後、彼の竪琴はゼウスによって天に上げられ、「こと座(Lyra)」となりました。その音楽は永遠に夜空で奏でられています。
まとめ
オルフェウスの竪琴は、芸術が持つ「世界を変える力」の象徴です。剣が命を奪う道具なら、この琴は魂を救い、不可能を可能にする奇跡の道具なのです。