翼の生えたサンダルで空を駆け、神々のメッセージを届けるパシリ...ではなく、重要な伝令役。商業、旅、そして泥棒の神様でもあり、その軽妙なトークと頭の回転の速さ、そしてフットワークの軽さは、現代のビジネスマンの理想かもしれません。トリックスターとして神話を引っ掻き回す、ヘルメスのちゃっかりした魅力に迫ります。
ヘルメスとはどんな神か?
早熟すぎる天才児
ローマ神話では「マーキュリー」。生まれてすぐに揺りかごを抜け出し、アポロンが飼っていた牛50頭を見事に盗み出しました。牛の足跡を逆向きに偽装する知能犯ぶりでした。さらに、道端で拾った亀の甲羅に羊の腸を張って「竪琴」を発明し、怒って追いかけてきたアポロンにそれをプレゼントして「これで許して」と和解しました。この交渉術の才能により、彼は商業の神とされました。
境界を行き来する者
天界、地上、そして冥界を自由に行き来できる数少ない神です。死者の魂を冥界へ導くガイド(サイコポンプ)の役割も持っており、ハデスにも顔が利きます。錬金術の祖「ヘルメス・トリスメギストス」とも同一視され、神秘的な知識の守護者でもあります。
トレードマークの装備
ヘルメスといえば、象徴的なアイテムの数々です。 1.タラリア: 履くだけで風よりも速く空を飛べる、翼のついた黄金のサンダル。 2. カドゥケウス(ケーリュケイオン): 2匹の蛇が絡みついた杖。平和と医術、商業のシンボルです(※アスクレピオスの杖と見た目が似ており、よく混同されます)。 3. ペタソス: 旅人が被るつば広の帽子(これにも翼が付いていることが多い)。
現代作品でのヘルメス
ブランド「エルメス」
フランスの高級ブランドHERMESは、創業者ティエリ・エルメスの名前に由来しますが、ロゴマークに描かれている馬車(従者と馬のみで主人がいない)は、ヘルメス神話のイメージとも重なり、商売の神として縁起が良いとされています。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
お調子者で飄々とした神として登場。主人公たちの冒険を裏で助けたり、わざと困難を与えて楽しんだりする、神話通りのトリックスター的な立ち位置で物語を動かします。
まとめ
ヘルメスは、情報と物流が世界を動かす現代において、最も親近感を感じられるスマートで有能な神様です。彼の靴を借りれば、どんなビジネスもうまくいくかもしれません。