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オルフェウス:死神も涙する琴の名手と、冥界下りの悲恋【竪琴座】

#ギリシャ神話 #英雄 #音楽家 #冥界 #悲恋 #アルゴノーツ
オルフェウス / Orpheus
オルフェウス

オルフェウス

Orpheus
ギリシャ神話吟遊詩人 / 英雄
英雄度★★★★
特徴竪琴を携えた憂いのある青年
功績/能力万物を魅了し従わせる音楽
弱点妻への愛と不安、後ろを振り返ること
主な登場
聖闘士星矢(琴座のオルフェ)ペルソナ3(主人公ペルソナ)パズドラ

音楽の力だけで地獄の門を開いた男、オルフェウス。彼の奏でる竪琴(ライアー)の音色は、凶暴な魔獣ケルベロスを眠らせ、冷酷な冥王ハデスの目にも涙を浮かべさせました。しかし、彼の物語は「あと一歩」というところで永遠の悲劇へと変わります。「振り返ってはいけない」という有名な禁忌の元ネタとなった、愛と後悔の物語です。

世界最高の音楽家

自然界をも動かす音色

ミューズ(芸術の女神)カリオペの息子とされるオルフェウス。彼が琴を奏でて歌えば、魚は水面から顔を出し、鳥は空で羽ばたくのを忘れ、木々や岩でさえも彼について行こうと動いたと言われます。アルゴノーツの冒険にも参加し、セイレーンの危険な歌声に対して、それ以上に美しい音楽を奏でてかき消すという荒技で仲間を救いました。

冥界からの脱出

妻エウリュディケの死

愛妻エウリュディケが毒蛇に噛まれて死んでしまうと、絶望したオルフェウスは冥界(死者の国)へ向かいます。彼の悲痛な歌声は渡し守カロンや復讐の女神たちをも感動させ、ついに冥王ハデスと妃ペルセポネの前に到達しました。

最後の試練

ハデスは特例として妻を返すことを認めますが、ひとつだけ条件を出しました。「地上に出るまで、決して後ろを歩く妻を振り返ってはならない」。 暗い道を登り、ようやく地上の光が見えたその時。妻がちゃんとついてきているか不安になったオルフェウスは、うっかり振り返ってしまいました。その瞬間、妻は霞のように冥界の奥底へと引き戻され、二度と会うことは叶いませんでした。

神話のその後

悲惨な最期

失意のオルフェウスは女性との愛を拒絶するようになり、それに腹を立てたディオニュソスの信女たちによって八つ裂きにされて殺されました。彼の首はレスボス島へ流れ着き、竪琴は天に上げられて「こと座」になったと伝えられます。

ペルソナ3

人気RPG『ペルソナ3』では主人公の初期ペルソナとして登場。ハープを持って戦うスタイリッシュな姿が印象的ですが、火に弱く闇に弱いという設定も、悲劇的な最期を反映しているのかもしれません。

【考察】見るなのタブー

世界共通のモチーフ

日本の「イザナギとイザナミ」、聖書の「ロトの妻」など、「冥界・異界から戻る時に振り返ってはいけない」という話は世界中に存在します。これは死の不可逆性や、過去への未練を断ち切ることの難しさを象徴していると考えられています。

まとめ

彼が最後に振り返ったのは、弱さからか、それとも愛ゆえか。オルフェウスの物語は、芸術の力の偉大さと、人間の心のもろさを同時に語りかけてきます。