「陽気」や「喜び」を意味する美しい名を持つ剣、ジョワユーズ。中世ヨーロッパの覇者シャルルマーニュ(カール大帝)の愛剣として知られ、現在もルーヴル美術館にその「片鱗」が展示されています。戦場で一日に30回も色を変えたという神秘的な輝きについて掘り下げます。
ジョワユーズとは?
虹色に輝く剣
「ローランの歌」によると、ジョワユーズはシャルルマーニュが常に腰に帯びていた剣とされています。その刃は一日のうちに30回も色を変え、太陽の光を反射して目が眩むほどの輝きを放ったといいます。柄には、キリストの脇腹を突いた「聖槍(ロンギヌスの槍)」の一部が埋め込まれており、最強の聖剣としての霊力を秘めていました。
名前の由来
フランス語で「陽気(Joyeuse)」を意味します。一説には、この剣があまりにも美しく輝くため、戦場にあっても兵士たちの心を明るくし、勝利の喜びをもたらしたことから名付けられたと言われています。
デュランダルとの対比
王の剣と騎士の剣
シャルルマーニュ伝説において、王の剣ジョワユーズと、筆頭騎士ローランの剣デュランダルは双璧をなす存在です。デュランダルが「不滅」や「強固」を象徴する剛剣だとすれば、ジョワユーズは「王権」と「繁栄」を象徴する煌びやかな剣だと言えます。
ルーヴル美術館の秘宝
現在、パリのルーヴル美術館には「シャルルマーニュの剣」とされるジョワユーズが展示されています。しかし、鑑定の結果、刀身の一部は9世紀のものですが、柄や装飾は12〜13世紀以降に改修されたものであることが判明しています。それでも、歴代フランス王の戴冠式で使われてきた、国宝級の至宝であることに変わりはありません。
現代作品でのジョワユーズ
華麗なる連撃
ゲーム作品では、威力偏重のデュランダルに対し、ジョワユーズは攻撃速度や連撃数に優れた武器として設定されることが多いです。また、その名の通り「幸運」や「ドロップ率」を上げる効果を持つこともあります。
【考察】色彩変化の謎
輝く鋼の秘密
「色が30回変わる」という伝承は、優れた研磨技術による光の屈折や、ダマスカス鋼のような特殊な紋様が、角度によって色味を変えて見せたことを誇張した表現かもしれません。あるいは、王の感情に呼応してオーラを放っていたという魔法的な解釈もロマンがあります。
まとめ
戦いの道具でありながら「喜び」の名を持つ聖剣。それは、王が目指すべき平和と繁栄の光を、その刃に宿していたからに他なりません。