アーサー王の伝説にはエクスカリバー以外にも多くの名剣が登場します。その一つ、クラレントは、本来は平和と王権を象徴する儀礼用の剣でした。しかし運命の悪戯により、この剣はアーサー王の息子であり反逆者であるモードレッドの手に渡り、王の命を奪うことになります。
かつては平和の象徴だった
宝物庫の眠り
クラレントは、アーサー王の宝物庫に大切に保管されていた「平和の剣」です。騎士の叙任式や重要な式典でのみ使用され、戦場で血を吸うことは決してないはずでした。その刀身は銀色に輝き、王の威厳を示す豪華な装飾が施されていたとされます。
カムランの丘での悲劇
盗み出された剣
アーサー王がローマ遠征などで不在の隙に、后のギネヴィアと王位を狙ったモードレッドがこの剣を盗み出します(あるいはギネヴィアを脅して奪ったとも)。
父と子の決着
そして運命の「カムランの戦い」。モードレッドはこのクラレントを振るって父アーサー王に致命傷を与え、自らもロンゴミニアド(聖槍)に貫かれて果てました。平和を守るはずの剣が、王国の崩壊を決定づける凶器となってしまったのです。
Fateシリーズでの「叛逆の魔剣」
我が麗しき父への叛逆
『Fate/Apocrypha』などのFateシリーズでは、モードレッドの宝具「我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)」として登場。本来の白銀の輝きは、持ち主の憎悪によって赤黒い雷を放つ邪剣へと変貌しています。アーサー王への屈折した愛情と憎しみを象徴するアイテムとして描かれています。
兜と共に隠された素顔
「シークレット・オブ・ペディグリー(不貞隠しの兜)」と共に、彼女(彼)の出自と反逆心を象徴する武具です。円卓の騎士たちの中でも特に攻撃的なこの宝具は、直線上に破壊的なエネルギーを放出する対軍宝具として恐れられています。
まとめ
平和のために作られながら、最も悲しい争いに使われた剣クラレント。道具の意味は、それを使う人間の心一つで変わってしまうことを教えてくれます。