「意の如く(思い通りに)」願いを叶える珠。それが如意宝珠(チンターマニ)です。古来より地蔵菩薩や如意輪観音などの仏様が手に持っているあの玉は、単なる飾りではありません。衣食住から悟りに至るまで、衆生のあらゆる欠乏を満たす万能のリアリティ・ストーンなのです。
龍王の脳か、仏の骨か
起源の伝説
その正体については諸説あります。
- 龍王の脳内から出た珠: マカラ魚やナーガ(龍神)の体内にあるとされる説。
- 仏舎利(お骨)の変化: 仏陀の遺骨が変化して素晴らしい力を持つようになったとする説。
- 帝釈天の持ち物: 神々の争いの中で砕け散った金剛杵の破片とも。
いずれにせよ、この世のものではない至高の物質と考えられています。
無限の功徳
物質的・精神的な救済
如意宝珠に祈れば、空から宝物が降ってきて貧困が解消され、病気は治り、毒蛇すら退散すると言われます。しかし最も重要なのは「精神的な願い(悟り)」をも叶える点です。ただの物質欲満たしマシンではなく、人々を仏道へ導くための方便として機能します。
ドラゴンボールの原型
願いを叶える玉
鳥山明の名作『ドラゴンボール』のドラゴンボールは、この如意宝珠の伝説(特に『南総里見八犬伝』経由)をモチーフにしています。集めて願いを叶えるという構造は、東洋的な宝珠信仰の現代的アレンジと言えるでしょう。
まとめ
如意宝珠は、仏教が目指す「抜苦与楽(苦しみを抜き、楽しみを与える)」を具現化した究極のシンボルです。仏像の手元を見る時は、その小さな玉に込められた無限の慈悲を思い出してください。