死の世界である「黄泉の国」から逃げ帰ったイザナギが、その穢れを落とすために禊(みそぎ)を行った時、多くの神々が生まれました。その中で、禍(わざわい)を直す神々の直前に現れたのが**伊豆能売(いずのめ)**です。穢れを清浄な力へと転換する、神秘的な女神です。
誕生の経緯
黄泉からの帰還
イザナギが黄泉の穢れを払う際、まず「八十禍津日神(やそまがつひ)」と「大禍津日神(おおまがつひ)」という、災厄の神が生まれました。その災いを直そうとして「神直毘神(かむなおび)」と「大直毘神(おおなおび)」が生まれ、その次に伊豆能売が誕生しました。
斎(い)む神
「イズ」は「厳(いつ)」に通じ、神聖な力で不浄を清めることを意味します。彼女は禍津日神の荒ぶる力を鎮め、正常な状態に戻すための重要な役割を担っていたと考えられています。
信仰と役割
厄除けと浄化
具体的なエピソードは少ないものの、その名の持つ「神聖な女性」という意味から、巫女の祖型とも言われています。現代でも厄除け祈願や、心身の浄化を願う際に重要な神として、神道の祝詞の中で唱えられることがあります。
イメージされる姿
清廉な巫女
白装束を纏い、清らかな水を司る巫女のような姿でイメージされることが多いです。手には弊(ぬさ)や鈴を持ち、鈴の音と共に空間を清める姿が描かれます。
まとめ
目立たない存在ですが、私たちが神社で手を合わせ、心を清める時、そこには伊豆能売の働きがあるのかもしれません。清浄さを保つことの大切さを教えてくれる神様です。