人生には「魔が差す」ことや、どうしようもない不運が訪れることがあります。そんなねじれてしまった運命を「直(なお)す」のが、**大直毘神(オオナオビ)**です。黄泉の国で汚れてしまったイザナギが、禊(水浴び)をして汚れを落とした際、最後に生まれた「直し」のスペシャリスト。災厄の神である禍津日神(マガツヒ)がもたらした混乱を、元の正しい状態、あるいはそれ以上の良い状態へと修正してくれる、究極のポジティブ変換神です。
禍を直すカウンター
誕生の経緯
イザナギの禊の際、垢(あか)から二柱の災厄の神(八十禍津日神、大禍津日神)が生まれました。これは「悪いことが起きる予兆」でしたが、その直後に、その災厄を打ち消すために生まれたのが、神直毘神(カミナオビ)と、この**大直毘神(オオナオビ)**です。
機能
「ナオビ」とは「直(なお)す」+「霊(び)」の意味。曲がってしまったもの、汚れてしまったものを、本来の真っ直ぐで清らかな状態に戻す働きをします。単に「元に戻す」だけでなく、「雨降って地固まる」のように、災いを転じて福となすような、より強固な善の状態へ導く力を含んでいます。
信仰
住吉大社や警固神社など、祓いを司る多くの神社で重要視されています。何か失敗をしてしまった時、不運が続く時、オオナオビに祈ることは、心のリカバリーを行い、再挑戦するための活力を得ることと同義なのです。
まとめ
失敗しても、やり直せる。大直毘神は、私たち人間に備わっている「回復力(レジリエンス)」そのものを神格化した存在なのかもしれません。