ヒンドゥー神話の大悪役、魔王ラーヴァナ。彼が英雄ラーマと戦った際に手にしていたのが、破壊神シヴァから授かった名剣チャンドラハースです。「月(チャンドラ)の嘲笑」という詩的な名を持つこの剣は、その美しさと恐ろしさで戦場を支配しました。
シヴァへの献身の証
自分の首を捧げる
ラーヴァナは元々、熱心なシヴァ信者でした。「不老不死になりたい」と願った彼は、なんと自分の10個ある頭を一つずつ切り落としてシヴァに捧げるという、狂気的な苦行を行いました。 最後のひとつを捧げようとした瞬間、感銘を受けたシヴァが現れ、彼の頭を元に戻し、さらにこのチャンドラハースを授けたのです。
月の煌めき
この剣は、その名の通り月の光のように美しく輝き、どんな武器とぶつかっても決して刃こぼれしない絶対的な耐久力を持っていました。
皮肉な結末
慢心による敗北
しかしシヴァは剣を渡す際、「この剣を不当な目的(私欲や慢心)に使えば、その力は失われるだろう」と警告していました。 後にラーヴァナは慢心してシガ神の住むカイラス山を揺らそうとしたため、呪いを受け、最終的には英雄ラーマに敗北します。最強の武器を持っていても、使い手の心が正しくなければ勝利は掴めないのです。
グラブルなどでの知名度
ゲーム武器として
『グランブルーファンタジー』などの現代RPGでは、強力な闇属性武器として登場知名度を上げています。禍々しくも美しいデザインで描かれることが多く、原典の「月の笑い」というミステリアスな響きが今もクリエイターを刺激しています。
【考察】悪役の美学
悪のカリスマ
ラーヴァナは悪役ですが、神への信仰心は誰よりも厚く、知性も高い魅力的なキャラクターです。チャンドラハースは、そんな彼の実力と高潔さを象徴する、悪の美学が詰まった一振りと言えるでしょう。
まとめ
月のように静かに、そして残酷に微笑む剣。チャンドラハースは、主人の栄光と破滅の両方を見届けた、伝説の証人です。