死んだらどうなるの?そんな人類永遠の疑問に対し、古代エジプト人は徹底的な「攻略本」を用意していました。それが『死者の書』です。冥界の怪物への対処法から、神様への挨拶の仕方まで、死後の旅を無事に終えて楽園(アアル)へ行くための全てが記されています。
出るための書
本来のタイトル
「死者の書」というのは近年の考古学者がつけた名前で、古代エジプト語では「日中に出現するための書」と呼ばれていました。これは、死者が夜の闇(死の世界)から解放され、再び太陽の光の下に出られるように、という願いが込められています。
有名な呪文
特に有名なのが第125章の「否定告白」です。オシリスの審判の際、死者は42の神々の前で「私は盗みをしませんでした」「私は嘘をつきませんでした」と、生前の潔白を宣言しなければなりません。この書には、そのカンペ(模範解答)が書かれているのです。
心臓の計量
アヌビスの天秤
旅のクライマックスは、冥界の神アヌビスによる「心臓の計量」です。天秤の一方に死者の心臓、もう一方に真理の女神マアトの羽根が置かれます。もし悪行で心臓が重くなっていれば、怪獣アメミットに魂を食われて消滅してしまいます。この最大のピンチを切り抜けるための呪文も、もちろん記されています。
【考察】死への備え
究極のエンディングノート
現代人も「終活」を行いますが、エジプト人のそれはあまりにも壮大で具体的でした。死を終わりではなく、新しい生活の始まりと捉え、そのための準備を怠らない。そのポジティブで真剣な死生観が、3000年の時を超えてこの書を現代に伝えたのです。
まとめ
『死者の書』は、古代の人々がいかに死を恐れ、同時に希望を持っていたかを伝えるタイムカプセルです。もし冥界に行く予定があるなら、一冊持っておいて損はないでしょう。