古代エジプトの人々が最も恐れたのは、死後の世界で「二度目の死」を迎えることでした。その執行人こそが、貪り食うもの、アメミットです。彼女の口に心臓が放り込まれた時、その魂は永遠に消滅します。
アメミットの姿と役割
最強動物の合成獣(キメラ)
アメミットの姿は、エジプト人にとって恐怖の対象であった3つの動物が組み合わさっています。
- 頭: ワニ
- 前半身: ライオン(またはヒョウ)
- 後半身: カバ これらはすべて人間を殺す力を持つ猛獣であり、アメミットがいかに恐ろしい存在であるかを象徴しています。
冥界の裁判官のペット?
死者の審判と心臓
魂の重さを量る天秤
死者の心臓は、正義の女神マアトの羽根(真実の羽)と天秤にかけられます。生前に悪行を重ねていなければ、心臓と羽は釣り合います。
執行の時
もし心臓が悪行で重くなっていた場合、その心臓は天秤から落ち、アメミットによって即座に食べられてしまいます。心臓を失った魂は転生することも楽園に行くこともできず、永遠の無へと帰します(第二の死)。これこそがエジプト人にとって最大の罰でした。
現代作品でのアメミット
Marvel『ムーンナイト』
ドラマ版では物語の核心に関わる強大な神として描かれました。アーサー・ハロウによって復活させられ、罪人の魂を事前に刈り取ることで「悪のない世界」を作ろうとしますが、それは自由意志の否定でもありました。
ゲームでの扱い
『遊戯王』やRPGなどでは、墓地に関する効果を持っていたり、即死攻撃を行うモンスターとしてデザインされることが多いです。
【考察】なぜ「メス」なのか?
母性と破壊
アメミットは通常「彼女」として扱われます。カバやライオンのエジプト神にはタウエレトやセクメトなど強力な女神が多く、保護と破壊の二面性を持つ母性神の側面を受け継いでいるのかもしれません。
まとめ
アメミットは悪人にとってのみ恐怖の存在です。彼女がただ待機しているだけで終わるのか、それとも食事にありつくのか。それはあなたの生き方次第なのです。