トキ(朱鷺)の頭を持ち、常にペン(葦の筆)とパレットを持って記録を取り続ける、エジプト神話きってのインテリ神。文字、カレンダー、数学、天文学、そして魔法。古代エジプト文明の知的な側面のほぼ全ては、彼が作ったと言っても過言ではありません。神々の頭脳であり、最強の魔法使いとも称される、トトの知られざる凄さを紹介します。
トトとはどんな神か?
神々の書記
神聖文字(ヒエログリフ)を発明し、人間に与えた文化英雄です。神々の会議では常に書記を務め、全ての決定事項や判決を記録します。また、ホルスとセトの戦いなど、神々の間で揉め事が起きると、公平な仲裁者として現れ、圧倒的な論理と知恵を使って解決に導きます。言葉そのものの支配者です。
トキとヒヒ
彼の姿は、嘴の長い「トキ」の頭を持つ人間として描かれるのが一般的ですが、知恵の象徴としての「ヒヒ(マントヒヒ)」の姿をとることもあります。ヒヒは日の出の時に騒ぐことから、太陽神ラーを迎える賢者とされました。
死者の審判と究極の魔導書
心臓の計量
死後の世界で行われる最も重要な儀式「最後の審判」。天秤の一方に死者の心臓、もう一方に真理の羽根(マアト)を乗せ、その傾きを厳密に測定し記録するのがトトの役割です。彼が帳簿に「無罪」と書き込まない限り、死者は楽園(アアルの野)に行くことはできず、怪物アメミットに魂を食べられて消滅してしまいます。
トトの書
彼が書いたとされる、この世のあらゆる秘密が記された幻の魔導書。これを読んだ者は、動物の言葉を理解し、神々を見ることさえできる強大な力を得ると言われました。しかし、この書を求めた者は皆、恐ろしい災厄に見舞われたという伝説があり、「禁断の知識」の象徴として後世のオカルトや創作に多大な影響を与えました。
まとめ
トトは、感情に流されがちなエジプトの神々の中で、唯一冷静に事実だけを見つめ、記録し続ける、真理の探究者であり、古代の科学者と言える存在です。