古代エジプトのファラオ(王)は、輝かしいハヤブサの神ホルスの地上における化身であるとされていました。父オシリスの無念を晴らすために戦った孝行息子であり、エジプト王家の正当性を象徴する絶対的な守護神です。有名な「ウジャトの目」の持ち主としても知られる、正義のヒーローの伝説を紹介します。
ホルスとはどんな神か?
偉大なるハヤブサの神
天空を翔けるハヤブサの姿、またはハヤブサの頭を持つ人間の姿で描かれます。彼の右目は太陽、左目は月を表し、大空そのものが彼の身体であるとされました。後に太陽神ラーと結びつき、「ラー・ホルアクティ」として信仰されるようになり、最強の地位を確立しました。
複雑な出生と復讐
冥界の王オシリスと、魔術の女神イシスの息子です。しかし、彼が生まれたのは父オシリスが弟セトに殺された後のことでした。母イシスは、幼いホルスをセトの魔手から守るため、ナイル川のデルタ地帯の葦の茂みの中に隠して育てました。成長したホルスは、父の仇を討ち、王位を取り戻すためにセトに戦いを挑みます。
叔父セトとの80年の戦い
失われた左目(ウジャトの目)
セトとの激しい王位継承争いは80年以上も続き、その中でホルスは左目をくり抜かれてしまいました。後にトト神(またはハトホル)によって癒やされたこの目は「ウジャトの目(完全なる目)」と呼ばれ、全てを見通す力を持ち、健康と安全、回復を守る強力な護符となりました。
王座の奪還
力だけでなく、知恵や魔術、そして母イシスの助けを借りた長い戦いと裁判の末、神々はホルスをオシリスの正当な後継者と認めました。これにより彼はエジプト全土(上エジプトと下エジプト)の統一支配者となり、敗れたセトは砂漠へと追放(あるいはラーの舟を守る雷鳴として昇天)されました。この神話は、王権継承の正当性を物語る重要な物語です。
まとめ
ホルスは、逆境から立ち上がり、困難な戦いを制して正義を勝ち取るヒーローの元祖です。その目は今もなお、エジプトの地と人々を見守り続けているのです。