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エロスの矢(キューピッドの矢):金と鉛がもたらす悲劇【ギリシャ神話】

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エロスの矢 / キューピッドの矢 / Arrow of Eros
エロスの矢 / キューピッドの矢

エロスの矢 / キューピッドの矢

Arrow of Eros
ギリシャ神話武器 / 道具
所有者エロス (アモール/キューピッド)
攻撃力-
属性
特殊能力強制的な恋愛感情、または嫌悪の付与
主な登場
神話全般恋愛ゲーム全般ペルソナシリーズ

ハートを射抜く「キューピッドの矢」といえば、ロマンチックな恋の始まりをイメージするでしょう。しかし、オリジナルの神話におけるエロスの矢は、もっと恐ろしく、理不尽な強制力を持った**「呪いのアイテム」**です。神々さえも逆らえない、この小さな矢の威力について紐解いていきます。

金と鉛、運命の二択

黄金の矢(愛)

鋭く尖った金の矢。これに射抜かれた者は、最初に見た相手に対して、どうしようもないほどの激しい恋心を抱きます。それは理性で抑えられるものではなく、「発狂」に近い状態です。

鉛の矢(拒絶)

鈍く重い鉛の矢。これに射抜かれた者は、愛や恋そのものを蛇蝎(だかつ)のごとく嫌うようになります。どんな魅力的な相手からの求愛も、生理的な嫌悪感を持って拒絶するようになります。この二つの矢が同時に使われた時、救いようのない悲劇が生まれるのです。

神々をも狂わせる力

アポロンの失恋

太陽神アポロンは、エロスの弓術を馬鹿にした報復として「金の矢」で撃たれ、ニンフのダフネへの愛に狂いました。一方、ダフネは「鉛の矢」で撃たれていたため、アポロンから逃げ続け、最後には月桂樹へと姿を変えました。どんなに偉大な神も、エロスの悪戯(というより復讐)からは逃れられなかったのです。

エロス自身の「うっかり」

ある時、エロスは母アフロディーテの言いつけで、人間の娘プシュケを醜い怪物と恋に落とさせようとしました。しかし、誤って自分の指を「金の矢」で傷つけてしまい、あろうことかエロス自身がプシュケに恋をしてしまいます。人を呪わば穴二つ、愛の神自身も愛の虜になってしまったのです。

【考察】恋は病気か?

制御不能な感情のメタファー

古代の人々は、突然湧き上がりコントロールできなくなる「恋」という感情を、外部から飛んできた「矢(=病原体)」による感染と考えたのかもしれません。「胸が痛む」「ハートを射抜かれる」という表現は、まさにこの神話的イメージから来ています。エロスの矢は、理性を破壊する最強の精神攻撃と言えるでしょう。

まとめ

エロスの矢は、誰かを幸福にすることもあれば、地獄の苦しみを味わわせることもあります。もし道端で翼の生えた少年を見かけても、決してその弓を馬鹿にしてはいけません。次はあなたが標的になるかもしれないのですから。