ギリシャ神話の神々が口にする聖なる食物、アンブロシア。その名は「不死」を意味し、これを食べることによって神々は若さと永遠の命を保っているとされています。
神の糧
味と形状
ハチミツよりも甘く、芳醇な香りがするとされます。固形物として描かれることもあれば、軟膏のように傷口に塗って治癒に使われることもありました。
人間への効果
人間が口にすると、傷が癒えたり、一時的に強大な力を得たりしますが、神々の許可なく食べることは重罪とされました。完全に食べ続ければ人間も不死になれると言われています。
神話での使用例
アキレウスへの塗布
母テティスは、赤子のアキレウスの体にアンブロシアを塗り、火で炙ることで不死身にしようとしました(ペレウスに見つかり中断しましたが)。
タンタロスの罪
神々の食卓に招かれたタンタロスは、このアンブロシアを盗み出して人間に分け与えようとし、神々の激怒を買って永遠の罰を受けました。
ゲームアイテムとして
全回復
ウルティマやウィザードリィなどの古典的RPGでは、HPを全回復したり蘇生したりする貴重な食料アイテムとして登場します。
タンタロスの罪
ゼウスの息子タンタロスは、神々の食卓に招かれた際、このアンブロシアとネクタルを盗み出して人間に分け与えようとしました。この冒涜により彼は神々の怒りを買い、冥界で永遠の飢えと渇きに苦しむ罰を受けることになりました。
鳩による運搬
伝説によると、アンブロシアは西の彼方にある伝説の地から、神聖な鳩たちによってオリンポスへと運ばれてくるとも言われています。その純粋さと希少性は、まさに神の威光そのものです。
芳香による識別
アンブロシアは素晴らしい芳香を放つとされ、神々が変身して地上に降りた際も、この香気によって正体がばれてしまうというエピソードがあります。また、英雄が神々の助けを得る際、アンブロシアの香りで勇気づけられたり、悪臭から守られたりすることもあります。
傷の治療
食べるだけでなく、軟膏のように傷口に塗ることで完全な治癒をもたらすとも言われます。トロイア戦争では、傷ついた英雄の治療や、遺体が腐敗しないように保存処置を施すためにアンブロシアが使われた記述が『イリアス』に見られます。
まとめ
アンブロシアは、その強力な能力やエピソードから、現代の多くの作品でも重要な役割を担っています。ギリシャ神話を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。