アンブロシアと共に神々の食卓を彩る聖なる飲み物、ネクタル(ネクタール)。赤ワインのように赤いとも言われ、その芳香は宮殿中に漂うとされています。
神の美酒
アンブロシアとの対
アンブロシアが食べ物であるのに対し、ネクタルは飲み物です。これら二つを摂取することで、神々の体内には血液ではなく「イコル」という霊液が流れるようになります。
給仕役
ゼウスの酌をするのは、かつては青春の女神ヘベ、後には美少年ガニュメデスの役割でした。彼らが注ぐネクタルは、永遠の宴の象徴です。
語源と派生
死(Nec)を超える(Tar)
語源的には「死を克服するもの」という意味が含まれているという説があります。
現代のネクター
果肉を含んだ濃厚なジュース「ネクター」の名称は、この神話の飲み物に由来しています。
ガニュメデスの給仕
神々の宴において、かつては青春の女神ヘーベーが給仕をしていましたが、後にトロイアの美少年ガニュメデスがさらわれ、ゼウスの側近としてネクタルの酌をするようになりました。彼は水瓶座のモデルとしても知られています。
芳香と癒やし
ネクタルは飲むだけでなく、傷口に塗ることで驚異的な治癒効果を発揮したり、遺体に塗ることで腐敗を防ぐ防腐剤としての役割も例話に登場します。その芳香は素晴らしく、こぼれた一滴が地上に落ちると、あたり一面に花が咲き乱れるといいます。
赤ワインとの関連
ネクタルはしばしば「赤ワイン」と混同されたり、その神話的な原型と見なされたりします。古代ギリシャ人にとってワインは「神の血」であり、陶酔による神との一体感をもたらす聖なる飲料でした。ネクタルはその究極的な形と言えます。
永遠の若さ
ネクタルを飲み続けることは、神々の不老不死の源泉です。逆に言えば、神々といえどもネクタルとアンブロシアを摂取しなければ、その力と若さを維持できないとも解釈できます。これは、生命維持には常に外部からのエネルギー供給が必要であるという、古代人の生命観を反映しています。
まとめ
ネクタルは、その強力な能力やエピソードから、現代の多くの作品でも重要な役割を担っています。ギリシャ神話を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。