北欧神話最大の英雄シグルド(ドイツ語圏ではジークフリート)。魔剣グラムを振るい、邪竜ファフニールを倒したドラゴンスレイヤー伝説の代表格です。
竜殺しの英雄
魔剣グラム
父から受け継いだ折れた剣を鍛え直した魔剣「グラム」は、鉄床を一刀両断し、水に浮かべた羊毛すら触れるだけで切れるほどの切れ味を誇りました。
ファフニール退治
財宝を守る邪竜ファフニールに対し、シグルドは地面に穴を掘って待ち伏せし、その上を通った竜の腹を下から突き刺すという戦法で勝利しました。
愛と悲劇
竜の血と心臓
返り血を浴びた(あるいは心臓を食べた)ことで、彼は鳥の言葉を理解し、無敵の肉体(背中を除く)を得ました。
ブリュンヒルデとの恋
眠れる戦乙女ブリュンヒルデを目覚めさせ、愛を誓い合いますが、魔法の薬による記憶喪失や策謀により、二人の関係は破綻。最終的にシグルドは暗殺され、ブリュンヒルデも後を追って自害するという壮絶な悲劇を迎えます。
ファフニールの心臓
竜ファフニールを倒した後、その心臓を焼いて食べたことで、シグルドは鳥の言葉を理解できるようになりました。鳥たちの警告により、彼は自分を裏切ろうとしていた養父レギンの陰謀を知り、レギンを成敗します。
ブリュンヒルデとの悲恋
炎の壁に囲まれた館で眠る戦乙女ブリュンヒルデを目覚めさせ、愛を誓い合いました。しかし、忘れ薬によって記憶を失い、別の女性グドルーンと結婚してしまいます。これが後の壮絶な悲劇と復讐劇の引き金となりました。
聖剣グラム
シグルドの愛剣グラムは、かつて父シグムンドがオーディンから授かった剣の破片を、名工レギンが打ち直したものです。その切れ味は凄まじく、川に流した羊毛を刃に当てただけで切断し、鍛冶場の鉄床を一撃で両断したと伝えられています。
ニーベルンゲンの歌
北欧神話のシグルド伝説は、後にドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』へと発展し、主人公ジークフリートの物語となりました。ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』でも中心的な英雄として描かれ、彼の竜殺しのエピソードは西洋ファンタジーの原点の一つとなっています。
現代作品への影響
ワーグナーのオペラ
『ニーベルングの指環』の主人公ジークフリートとしての知名度も高く、悲劇的な英雄像は多くの物語に影響を与えています。
Fateシリーズ
シグルドとジークフリートは別人(同一起源の別側面)として描かれ、シグルドは叡智の結晶である眼鏡をかけた、冷徹かつ情熱的な戦士として登場します。
まとめ
シグルドは、その強力な能力やエピソードから、現代の多くの作品でも重要な役割を担っています。北欧神話・ヴォルスンガサガを知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。