燃え盛る炎の壁の中で眠る、美しき戦乙女。彼女を目覚めさせるのは、恐れを知らぬ英雄だけ。ブリュンヒルデ。愛した男を殺させ、自らも炎に飛び込んで後を追った、神話史上最も激しい愛憎のヒロイン。
ブリュンヒルデとはどのような英雄か?
北欧神話および『ヴォルスンガ・サガ』のヒロインで、元はオーディンに仕えるワルキューレでした。オーディンの意に反したため、罰として人間となり、炎の館に眠らされました。英雄シグルド(ジークフリート)によって目覚めさせられ愛し合いますが、運命のいたずらと魔法の薬によりシグルドは記憶を失い、別の女性と結婚してしまいます。裏切られたと思った彼女は、シグルドの殺害を命じ、彼が死ぬと自らも剣で喉を突き、彼の葬儀の炎に飛び込んで共に焼け死にました。
伝説でのエピソード
ニーベルンゲンの歌
ドイツの伝承では、アイスランドの女王として登場。グンター王との結婚勝負(力比べ)で負かさない限り結婚しないという、アマゾネスのような怪力無双の女性として描かれます。
最後の旅
死してなお、彼女とシグルドの魂は冥界(ヘル)へ向かう旅路を共にします。炎の中でようやく二人は和解し、永遠に結ばれたのです。
後世への影響と言及
Fate/Grand Order
『FGO』では、シグルドへの愛が重すぎて「好きだから殺す」という物騒な思考回路を持つランサーとして登場。しかしその根底にあるのは純粋すぎる乙女心です。
スタジオジブリ
映画『崖の上のポニョ』のポニョの本名「ブリュンヒルデ」は、彼女に由来しています。ワルキューレの「死を選ぶ権利」と、人間になりたいという願いがリンクしています。
【考察】その本質と象徴
プライドと愛
彼女はただの恋愛脳ではなく、誇り高い戦士でした。誓いを破られることは、彼女のプライドが許さなかったのです。愛しているからこそ、許せない。その葛藤が物語を動かします。
まとめ
炎の中でしか完結できない愛がある。彼女の情熱は、今もオペラの舞台で燃え続けています。