冥界のさらに下、カオスと並ぶ世界の底。「タルタロス」とは、神ですら二度と出られない絶望の牢獄の名であり、その空間そのものを指す神の名でもあります。ゼウスに敗れた古の巨神たちが幽閉される、暗黒の深淵。
タルタロスとはどのような神か?
ギリシャ神話における奈落の神です。ガイア(大地)の下、ハデス(冥界)よりもさらに深くにある領域とされ、「天と地の距離と同じだけ、地とタルタロスの距離がある」と言われます。鉄の金床を落とすと底に着くまで9日9晩かかるほどの深さです。後に、神々に敵対した罪人や怪物たちを永遠に閉じ込める牢獄として語られるようになりました。
神話でのエピソード
ガイアとの子
タルタロスはガイアと交わり、神々を脅かす最強の怪物「テュポン」を生み出しました。これはガイアが孫のゼウスたちの支配に不満を持ち、彼らを倒すために最強の場所(タルタロス)の力を借りたとも取れます。
ポセイドンの青銅の門
ティターン戦争で敗れたクロノスなどの巨神たちは、このタルタロスに投げ込まれました。その入り口にはポセイドンが青銅の門を築き、百腕巨人ヘカトンケイルが見張り番として立っています。脱獄は不可能です。
信仰と文化への影響
ペルソナ3
RPG『ペルソナ3』では、探索すべき巨大な塔として「タルタロス」が登場します。多くの階層を持ち、プレイヤーの行く手を阻む異形の迷宮として描かれました。
地獄の代名詞
キリスト教における「地獄(Hell)」の概念の一部は、このタルタロスのイメージと混ざり合っています。無限の苦しみと絶望が続く場所の代名詞です。
【考察】その本質と象徴
世界のゴミ捨て場
美しく調和のとれたオリュンポスの秩序を維持するためには、それに従わない渾沌や怪物を排除する「ゴミ捨て場」が必要です。タルタロスは、光の世界の繁栄を陰で支える、必要悪としてのシステムなのかもしれません。
まとめ
覗き込めば、深淵もまたこちらを覗いている。そこは神話世界の最果て、すべての罪と恐怖の終着点。