サルタサウルス(Saltasaurus)は、白亜紀後期の南米アルゼンチン(サルタ州)に生息していた竜脚類です。全長は約12メートルと、巨大な竜脚類の中では比較的小型ですが、最大の特徴は「背中に鎧(皮骨板)を持っていた」ことです。長い間、「竜脚類は巨大な体そのものが防御手段である」と考えられていましたが、サルタサウルスの発見はその定説を覆し、進化の末期における多様性を示しました。
皮膚に埋め込まれた鎧
サルタサウルスの背中には、数千個もの豆粒大の骨のコブと、その中に混じる皿のような大きさの骨の板が埋め込まれていました。これはアンキロサウルス類のような完全な装甲ではありませんが、肉食恐竜の爪や牙から身を守るには十分な効果があったと考えられます。白亜紀後期にはカルノタウルスのような強力な捕食者が出現しており、体を巨大化させる代わりに「防御力」を高める生存戦略を選んだのです。
ティタノサウルス類の特徴
彼らは「ティタノサウルス類」という、竜脚類の中でも最後に繁栄したグループに属します。このグループは世界中に分布し、中にはアルゼンチノサウルスのような超巨大種もいましたが、サルタサウルスのように小型化・装甲化した種もいました。彼らは幅の広い体つきをしており、どっしりと安定した姿勢で植物を食べていました。
集団営巣地
サルタサウルスは、大規模な集団営巣地(ネスト・グラウンド)の化石が見つかったことでも有名です。数百個もの卵が密集して発見され、彼らが集団で産卵を行い、ある程度の子育てや集団防衛を行っていた可能性が示唆されています。地面に穴を掘って卵を産み、植物で覆って温めていたと考えられています。
まとめ
サルタサウルスは、竜脚類の進化の到達点の一つです。「大きくなくても生き残れる」ことを証明した彼らの装甲は、過酷な生存競争に対する生命の工夫の証です。