**八衢比古神(ヤチマタヒコ)**は、多くの道が交差する「辻(つじ)」や「分岐点」を守る神です。「八衢(やちまた)」とは「八方に道が分かれる場所」という意味。古代において、道は人や物が行き交うだけでなく、疫病や悪霊が他所から入り込んでくる危険なルートでもありました。この神は、そうした災いが集落に入るのを防ぐ「防波堤」の役割を担っています。
境界の守護者
道祖神の起源
八衢比売神(ヤチマタヒメ)、そして**久那土神(クナドノカミ)**と共に、集落の入り口や村境に祀られる「道祖神(どうそじん)」の原型の一つと考えられています。境界線で仁王立ちして、内側の平和を守る頼もしい存在です。
選択の神
人生の岐路(クロスロード)に立った時、どちらへ進むべきかを見守る神でもあります。迷える旅人を正しい方向へ導くガイドとしての側面も持っています。
足の守り
道を行く旅人の安全を守ることから、足腰の健康や、旅行の安全、現代では交通安全の神としても深く信仰されています。わらじを奉納する風習も、この信仰の名残です。
まとめ
見えない境界線で私たちを守る八衢比古神。人生という旅路において、迷い込んだ時にそっと道を示してくれる神様です。