八衢比古神とペアで祀られることが多い八衢比売神(ヤチマタヒメ)。同じく道の分岐点や境界を守る女神です。二柱が並んで祀られる姿は、仲睦まじい夫婦の道祖神(双体道祖神)として、日本各地の路傍で見ることができます。
出会いと別れの場所
縁を結ぶ辻
「辻」は、人が出会い、そして別れる場所です。ヤチマタヒメは、悪いものが通るのを防ぐ一方で、良き人、良き情報、良き運気が村に入ってくるのを歓迎します。道祖神が縁結びや子宝の神としても信仰されるのは、この女神の、異界からの新しい生命や出会いを招き入れる力によるものです。
境界の浄化
外から持ち込まれる穢れを、境界線上で祓い清める役割も担います。家の玄関に塩を盛るように、村の入り口で霊的な検疫を行っているとも言えるでしょう。
道端の祈り
道端の小さなお地蔵様や石碑に手を合わせる時、そこにはヤチマタヒメの気配があります。日々の通勤や通学の道中で、事故なく、そして良い出会いがありますようにと見守ってくれています。
まとめ
道の角を曲がれば、新しい何かが待っている。八衢比売神は、日々の移動と出会いを祝福する、道端の優しい女神です。