天忍穂耳命(アメノオシホミミ)は、天照大御神とスサノオの誓約で生まれた五男神の長男です。
正式名称は**「正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト)」**。「まさに勝つ、私が勝つ、素早く勝つ」という意味が込められた、とてつもなく縁起の良い名前を持つ神です。しかし、その勇ましい名前とは裏腹に、国譲り神話ではちょっと人間臭い一面も見せています。
皇室の直系祖先
アマテラスからニニギへ
オシホミミは、天照大御神の子であり、天孫降臨を行った**ニニギノミコトの父**にあたります。つまり、現在の皇室に直接つながる系譜のなかで、天界(アマテラス)と地上(ニニギ)をつなぐ非常に重要なポジションにいます。
幻の天孫降臨
下界は騒がしいので...
当初、天照大御神は長男であるオシホミミに「葦原中国を統治してきなさい」と命じました。 しかし、天の浮橋から下界を覗き込んだオシホミミは、「下界は騒がしくて物騒だ」と言って、そのまま高天原に引き返してしまったのです。
この「出戻り」事件のため、代わりにタケミカヅチらが派遣され、国譲りが完了した後に、今度は息子のニニギノミコトが降臨することになりました(オシホミミはその間にニニギが生まれたので「子に行かせます」と言ったとも)。
信仰とご利益
勝運の神
その長い名前に「勝」という字が3つも入っていることから、勝利の神としてスポーツ選手や受験生から信仰されています。特に滋賀県の太郎坊宮(阿賀神社)や、福岡県の英彦山神宮などが有名です。
まとめ
天忍穂耳命は、最高クラスの血統と名前を持ちながら、どこか慎重(あるいは臆病?)な一面を持つ親しみやすい神です。「勝つ」という言霊の力は凄まじく、勝負事の守護神として今も頼りにされています。