天界(高天原)から地上(葦原中国)へと降り立った貴公子ニニギ。天照大神の孫である彼は、三種の神器を携え、日本を統治するためにやってきました(天孫降臨)。彼こそが、現在の日本の皇室に繋がる伝説の祖先神です。
ニニギとはどのような神か?
正式名称は「天?杵尊(あめのにぎしのみこと)」、フルネームはもっと長く「アメニキシクニニキシアマツヒコヒコホノニニギノミコト」といいます。アマテラスの命令を受け、オオクニヌシが国譲りをした後のとっ散らかった地上世界を治めるために、五柱の神々と共に宮崎県の高千穂峰に降臨しました。彼の名前「ニニギ」は「賑やか」に通じ、稲穂が豊かに実る様子を象徴しています。
神話での伝説とエピソード
バナナ型神話
地上で美しいコノハナサクヤヒメ(桜の化身)に一目惚れして求婚しましたが、父神オオヤマツミは、彼女と一緒に姉のイワナガヒメ(岩の化身)も差し出しました。しかし、イワナガヒメが醜かったため、ニニギは彼女を送り返してしまいました。これに怒ったオオヤマツミは予言しました。「岩を選べば命は岩のように永遠だったのに、花だけを選んだから、天皇(天孫)の命は花のように短く儚くなるだろう」。これが、神の子孫である人間に「寿命」がある由来です。
稲作の起源
彼が天から持参した稲が、日本で稲作が始まった起源とされています。ニニギは単なる支配者ではなく、農業技術と文明をもたらした文化英雄でもあります。
現代作品での登場・影響
霧島神宮
降臨の地とされる鹿児島・宮崎の県境には彼を祀る霧島神宮があり、神話の舞台として多くの参拝者を集めています。坂本龍馬が新婚旅行で訪れたことでも有名です。
【考察】その強さと本質
有限の美
永遠の命を捨てて、美しくも儚い「今」を選んだ神。その決断は、桜を愛で、もののあはれを感じる日本人の無常観や美意識のルーツと言えるかもしれません。
まとめ
神でありながら死すべき運命を選んだ貴人。その血は、私たち日本人の歴史の中に脈々と流れています。