天皇を守護する「宮中八神(きゅうちゅうはっしん)」の一柱でありながら、街の商売人からも愛される女神、大宮能売神(オオミヤノメ)。伏見稲荷大社などの稲荷神社で、ウカノミタマ(お稲荷さん)の脇に祀られていることも多いです。彼女の役割は、宮殿(大宮)の中で、君主と家臣、あるいは人と人との間を取り持ち、関係を「和やかに(能く)」すること。つまり、日本最古のコーディネーターであり、接客のプロフェッショナルです。
言葉を美しくする神
アメノウズメとの関係
天岩戸の前で踊った芸能の女神アメノウズメと同一神であるという説が有力です。ウズメが天孫降臨の際にサルタヒコ(怖い顔の神)と堂々と交渉したように、オオミヤノメもまた、優れたコミュニケーション能力を持っています。
役割
神前での奏上(言葉を申し上げる時)に、誤りがないように、そして相手の心に快く響くように言葉を修正し、整える力を持つとされます。「話し上手になれる」「交渉がうまくいく」神様として信仰される理由です。
商売と接客の守護神
現代では、百貨店やサービス業の守護神として知られています。「いらっしゃいませ!」という明るい挨拶、客と店員の良好な関係、クレームのない円満な取引。これらはすべてオオミヤノメの領分です。足立市場(東京)など、市場の守護神として祀られていることもあります。
まとめ
人間関係のトラブルは、言葉の行き違いから。大宮能売神は、私たちの言葉に愛と調和を宿らせ、社会という大きな宮殿を平和にしてくれるのです。