「石の上にも三年」と言うが、日本神話にはその石(岩)を根底から粉砕する神がいる。イザナギの剣が生み出した根析神(ネサク)は、石析神と対をなす破壊の象徴である。
双子の剣神
岩も根も断つ
イザナギがカグツチを斬った際、剣先から滴る血が岩場に落ちて生まれたのが石析神(イワサク)と根析神(ネサク)である。 「イワサク」が岩の表面を裂くことを表すのに対し、「ネサク」は岩の根(底)まで徹底的に裂くことを意味するとされる。
徹底的な排除
この誕生譚は、イザナギの怒りがいかに凄まじく、その一撃がいかに強力であったかを物語っている。
香取神宮の祖神
剣の道
この二柱の神は、後に武神・経津主神(フツヌシ)の祖となるとされる(日本書紀)。 香取神宮(千葉県)の祭神であるフツヌシのルーツとして、剣の道や武芸を志す者にとっては無視できない重要な神格と言える。
【考察】自然への挑戦
土地を切り拓く力
「根を裂く」という名は、樹木の根を断ち切って土地を開墾する力も連想させる。 単なる武器の神というだけでなく、荒れ果てた自然を人間の力で切り拓いていく開拓の精神が宿っているのかもしれない。
まとめ
根析神は、何かを成し遂げるために必要な「障害を根底から断ち切る意志」を私たちに示している。