夜空の中心で動かずに輝く北極星。古代の人々は、この星こそが宇宙の支配者であり、人間の運命を握る神だと考えました。それが**妙見菩薩(みょうけんぼさつ)**です。菩薩という名を冠していますが、その実体は道教の星神信仰と仏教が融合した、極めて強力な「天の帝王」です。
武士団・千葉氏の守護神
月星の紋
平安時代から関東で勢力を誇った豪族・千葉氏は、妙見菩薩を守護神として篤く信仰しました。家紋の「月星紋(つきぼしもん)」は妙見信仰のシンボルです。一族の結束の要として、また戦場での勝利をもたらす軍神として崇められました。剣豪・千葉周作も妙見信仰を持っていたことで知られます。
玄武との関係
妙見菩薩の像は、しばしば**亀と蛇(玄武)**の上に乗っています。これは北の方角を守る四神・玄武と同一視されたためです。また、北斗七星も妙見菩薩の眷属(家来)とされています。
「妙見」の意味
真理を見通す目
「妙見」とは「優れた視力」や「真理を見抜く目」を意味します。ここから、眼病平癒の神様としても知られています。また、星の巡り(運命)を操ることから、厄除けや開運の力も絶大とされ、能勢妙見山や秩父神社など、各地で盛んに祀られています。
まとめ
天空の玉座から私たちを見守る妙見菩薩。その光は、人生の迷路に迷い込んだ時に、進むべき「北」を指し示してくれる道しるべです。