破壊から創造へ。イザナギの剣が岩を裂いてイワサク・ネサクを生んだ後、その「裂かれた岩」そのものから立ち上がったのが石筒之男神(イワツツノオ)である。
岩の化身
破壊の後の誕生
『古事記』や『日本書紀』において、カグツチの血から生まれた石析神・根析神の子(あるいは次の代)として登場する。 「石筒(イワツツ)」は「石鎚(こん棒)」や「石の霊力(ツツ)」を意味するとされ、武具としての石や、神が宿る**磐座(いわくら)**の神聖さを象徴している。
武神の父
英雄を生み出す
石筒之男神の最大の功績は、国譲りの英雄・**経津主神(フツヌシ)**の父となったことである(日本書紀)。 破壊的な剣の力(イワサク・ネサク)が、堅固な岩の体(イワツツノオ)を経て、国家を平定する英雄(フツヌシ)へと昇華されていく過程は興味深い。
【考察】石への信仰
不変の象徴
古代日本において、変わることのない岩石は「永遠」の象徴であった。 石筒之男神は、単なる物質としての岩ではなく、そこに宿る永続性や堅牢さを神格化した存在なのだろう。
まとめ
石筒之男神は、激動の神話の中で静かに、しかし力強くそびえ立つ不動の精神を体現している。