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イナリ:日本で最も親しまれる、狐と赤い鳥居の穀物神の秘密!

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イナリ(ウカノミタマ) / Inari
イナリ(ウカノミタマ)

イナリ(ウカノミタマ)

Inari
日本神話食物神 / 穀物神
神格★★★★★
大きさ人間大(変幻自在)
権能五穀豊穣、商売繁盛、願望成就
弱点特になし(粗末にすると祟る説も)
主な登場
宇迦之御魂神(古事記)ぎんぎつねいなり、こんこん、恋いろは。

朱色の鳥居が連なり、白狐(びゃっこ)の像が守る「お稲荷さん」。日本全国に約3万社あると言われ、神社の中で最も数が多いのがこの稲荷神社です。その祭神であるイナリ(稲荷大神)は、私たちの生活に最も身近な神様と言えるでしょう。

一般的に「ウカノミタマ(宇迦之御魂神)」と同一視されることが多く、その名の通り「稲(イナ)が成る(ナリ)」という言葉が語源とされる、五穀豊穣の神です。農業の神として発祥しましたが、時代の変化と共に商売繁盛、産業興隆、家内安全、交通安全、芸能上達など、あらゆる現世利益を叶える万能の神として信仰を集めるようになりました。

狐はイナリ神の「使い(眷属)」であり、神そのものではありませんが、その霊力ある姿から、稲荷信仰と狐は切っても切れない関係にあります。春に山から降りてきて秋に山へ帰る狐の習性が、田の神のサイクルと重なったためとも言われています。

本記事では、イナリ神の正体や由来、狐との関係、そして京都の伏見稲荷大社をはじめとする主要な稲荷神社について、深く掘り下げて解説します。

イナリ神の正体と変遷

「イナリ」という特定の神が一柱存在するわけではなく、一般的に稲荷神社で祀られているのは「宇迦之御魂神(ウカノミタマ)」です。古事記ではスサノオの子、日本書紀ではイザナギ・イザナミの子(倉稲魂命)とされています。名前の「ウカ」は食物や穀物を意味し、まさに食を司る生命の根源的な神です。

また、伊勢神宮の外宮の祭神である「豊受大神(トヨウケノオオカミ)」や、「保食神(ウケモチノカミ)」とも同一視されることがあります。いずれも食物を司る女神的な性格を持っていますが、イナリ神は時に老人の姿で描かれたり、厳しい男性神として表現されることもあり、多様な側面を持っています。

稲荷信仰の発祥は、京都の豪族・秦氏(はたうじ)が711年に京都の伊奈利山(現在の伏見稲荷がある山)に神を祀ったことに始まるとされます。当初は秦氏の氏神、農耕神でしたが、平安時代に東寺の鎮守神となったことで仏教(真言密教)と習合し、「荼枳尼天(だきにてん)」とも結びつきました。

なぜ「お稲荷さん」には狐がいるのか?

稲荷神社といえば狐ですが、前述の通り狐は神様そのものではなく、神様の使い(眷属)です。「神使(しんし)」と呼ばれます。

この結びつきにはいくつかの理由があります。

  1. 農耕の守り神: 狐は春(田植えの時期)に人里に現れ、秋(収穫の時期)に山へ帰る習性があります。また、穀物を食い荒らすネズミを捕食してくれるため、農民にとってありがたい存在でした。
  2. 色の連想: 狐の古名「ケツ」が、食物を意味する「ケ」に通じることや、尻尾の形が稲穂に似ていること、狐の色が熟した稲の色(黄金色)を連想させることなども挙げられます。
  3. 仏教の影響: 習合した荼枳尼天が、ジャッカル(日本では狐で代用)に乗る姿で描かれていたことも影響しています。

稲荷神社の狐像は、巻物(知恵)、玉(霊徳)、鍵(倉庫の鍵)、稲穂(豊穣)などを口にくわえており、それぞれ神様の力を人々に届ける役割を象徴しています。

商売繁盛から産業の神へ

江戸時代に入ると、商業が発達し、城下町や商人の家の敷地内にも稲荷神社が盛んに勧請(かんじょう)されました。現世利益を速やかに叶えてくれる神として、「病気が治る」「宝くじが当たる」「商売がうまくいく」といった庶民の切実な願いを受け止める存在となったのです。

「稲荷寿司」もこの頃に生まれたとされます。狐の好物が鼠であることから、鼠の油揚げを供えるようになり、やがて油揚げの中に飯を詰めたものが「稲荷寿司」として定着しました。 現代では、企業のビルの屋上や工場の敷地内にも企業の守護神として祀られており、日本の経済活動を見守る重要な神としての地位を確立しています。

日本三大稲荷と参拝のすすめ

全国に多数ある稲荷神社の中でも、特に有名なものを紹介します。地域によって「三大稲荷」の定義は異なりますが、以下の神社が代表的です。

  • 伏見稲荷大社(京都府京都市): 全国の稲荷神社の総本宮。千本鳥居で世界的に有名。稲荷山の神蹟を巡る「お山巡り」は、神秘的な体験ができると人気です。
  • 笠間稲荷神社(茨城県笠間市): 日本三大稲荷の一つとされる関東の名社。およそ1360年の歴史を持ち、菊まつりでも有名です。
  • 豊川稲荷(愛知県豊川市): 正式には「妙厳寺」という寺院ですが、鎮守として荼枳尼天(稲荷)を祀っており、神仏習合の形を今に伝えています。
  • 祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市): 豪華絢爛な楼門や本殿から「鎮西日光」とも称される、九州を代表する稲荷神社です。

主なご利益:

  • 五穀豊穣: 農業成功、食の安全。
  • 商売繁盛: 会社の発展、売上向上。
  • 家内安全: 家族の守護。
  • 芸能上達: 芸事の神としても信仰されます。

私たちの生活に根ざした身近な神様、イナリ。赤い鳥居を見かけたら、日々の糧への感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

イナリ神は、古代の農耕社会から現代の資本主義社会に至るまで、日本人の生活スタイルに合わせてその役割を変化させながら、常に私たちを見守り続けてきました。朱色の鳥居の向こうには、日本の豊かな自然と、人々の尽きない願いが詰まっています。