琵琶湖の東にそびえる美しい円錐形の山、三上山(近江富士)。その山頂に降臨したとされるのが、**天之御影神(アメノミカゲ)です。麓にある御上神社(みかみじんじゃ)に祀られており、古くから製鉄・鍛冶の神として信仰されています。別名を天目一箇神(アメノマヒトツ)**と言い、その名の通り「片目」の神様であるという伝承があります。
一つ目の鍛冶神
姿の理由
なぜ片目なのか? これには職業病説が有力です。古代の鍛冶師は、高温の炉の炎の色を片目でじっと見極めて温度調整をしていました。その長年の激務によって片方の視力を失うことが多かった(あるいは、片目をつぶって仕事をした)ため、鍛冶の神様も片目(一つ目)の姿として描かれるようになったと言われています。妖怪の「一本だたら」の正体とも言われます。
アマテラスのひ孫
系図上は、天火明命(アメノホアカリ)の子、あるいはアマテラスのひ孫にあたるとされ、天津神の系譜に連なる由緒正しい神です。天孫降臨の際には、お供として同行し、金属加工の技術を地上に伝えました。
モノづくりの魂
刀鍛冶はもちろん、現代の鉄鋼業、金物屋、包丁職人など、金属を扱うすべての人々の守護神です。硬い鉄を熱して打ち、有用な道具に変える変成の力は、新しい価値を生み出すクリエイティブな仕事全般に通じます。
まとめ
火花散る仕事場で、汗を流す職人たち。天之御影神は、その熱い眼差し(片目)で、日本のモノづくり精神を見守り続けています。