その名の通り、「天を照らす明るい火(太陽光)」を象徴する神、天火明命(アメノホアカリ)。天孫ニニギの兄にあたる神で、古代の有力豪族・尾張氏(おわりし)の祖先神として知られています。愛知県一宮市の真清田神社などで主祭神として祀られ、太陽の恵みによる五穀豊穣をもたらす農業神として信仰されています。古代史ファンの間では、ニギハヤヒと同一人物ではないかという説でも有名です。
天孫の兄、尾張の祖
系譜
父は天忍穂耳命(アメノオシホミミ)、母は万幡豊秋津師比売命(ヨロズハタトヨアキツシヒメ)。あのアマテラスの直系の孫にあたります。弟は天孫降臨の主役であるニニギノミコトです。弟が地上支配の主役となった一方で、ホアカリの子孫は各地に広がり、特に尾張地方を開拓した尾張氏や、海部氏といった強力な氏族の祖先となりました。
ニギハヤヒとの関係
『先代旧事本紀』という書物では、「天火明命、別名は天照国照彦天火明櫛玉饒速日命(ニギハヤヒ)」と記されており、物部氏の祖神であるニギハヤヒと同神であるとされています。これは古代史最大のミステリーの一つとされ、本来は皇室と並ぶような強大な太陽神信仰を持つ一族がいたことを示唆しています。
太陽と農業の神
猛々しい太陽の力を表し、その熱と光で作物を育てる農業神として崇められています。また、金属精錬(火を使う)との関連も指摘されることがあります。穏やかな光というよりは、万物を成長させるエネルギッシュな生命力を象徴する神様です。
まとめ
皇室の祖神の兄であり、古代豪族たちの父。天火明命の輝きは、隠された古代日本の歴史を今に照らしています。