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シュリンクス:牧神パンが愛した葦笛と悲しい恋の物語【パンフルート】

#ギリシャ神話 #楽器 #アーティファクト #悲恋 #音楽
シュリンクス(葦笛) / Syrinx
シュリンクス(葦笛)

シュリンクス(葦笛)

Syrinx
ギリシャ神話楽器 / アーティファクト
レア度★★★★
属性
特殊能力自然を鎮める、あるいは狂乱させる音色
主な登場
グランブルーファンタジーディズニー『ファンタジア』牧神の午後

南米のフォルクローレなどで使われる、長さの違う管を並べた素朴な笛「パンフルート」。その名前と起源は、ギリシャ神話の悲しくも少し怖いストーカー事件に由来します。美しい妖精が姿を変えた楽器、シュリンクス。牧神パンが奏でるその音色は、彼女自身の声だったのでしょうか?

美少女ストーカー被害

アルカディアのニンフ

シュリンクスは狩りの女神アルテミスに仕える、貞淑で美しい森のニンフでした。ある日、山羊の脚と角を持つ牧神パンが彼女を見初め、しつこく言い寄りました。彼女は恐怖して逃げ出しますが、パンはどこまでも追いかけてきます。

葦への変身

川岸まで追い詰められたシュリンクスは、川の神に「私を隠して!」と祈りました。パンが彼女を抱きすくめた瞬間、その腕の中にあったのは彼女の体ではなく、川辺に生える葦(あし)の束でした。

楽器になった恋人

ため息の音色

呆然とするパンが葦の束を見つめていると、風が吹いて「ヒュー」と寂しげで美しい音が鳴りました。パンはその音に彼女の面影を感じ、「君を永遠に私のものにしよう」と言って、葦を切り取り、長さを変えて蜜蝋で繋ぎ合わせ、笛を作りました。彼はその笛に「シュリンクス」と名付け、片時も離さず吹き続けたといいます。

狂乱のパニック

パン神の声(笛の音)は、時に羊たちをリラックスさせますが、時に原因不明の集団恐慌を引き起こすとも言われました。これが「パニック(Panic)」の語源です。

音楽史への貢献

管楽器の祖

このシュリンクス(パンフルート)は、パイプオルガンやハーモニカなど、多くの管楽器の元祖と考えられています。ドビュッシーの『シランクス(Syrinx)』など、多くのクラシック音楽の題材にもなりました。

まとめ

片思いの相手を楽器にして唇を寄せ続ける……現代の感覚では猟奇的かもしれませんが、その音色の美しさは、叶わぬ恋の切なさを何千年も伝え続けています。