中二病心をくすぐる武器名ランキングがあれば、間違いなく上位に入るのがレーヴァテインでしょう。響きのかっこよさとは裏腹に、その正体は北欧神話の中でも特に謎に包まれています。ある時はロキが作った魔術の杖、ある時はスルトが振るう世界を焼く炎の剣とされる、この「破滅の武器」の真実を探ります。
「傷つける枝」という意味
剣なのか、杖なのか
古エッダの難解な詩『フィヨルスヴィーズの歌』に登場しますが、名前の意味は「裏切り(Læ)の枝(Teinn)」、あるいは「破滅の杖」と解釈されます。つまり本来は剣ではなく、魔法の杖や矢であった可能性があります。しかし、19世紀以降の翻訳や神話学の解釈において、「剣」として扱われることが多くなり、現代では「魔剣」としてのイメージが定着しました。
ロキの最高傑作
鍛冶師としてのロキ(あるいはロキがニブルヘイムの門の前でルーン文字を唱えて作らせた)によって作られ、普段は「レーギャルンの箱」という頑丈な箱に、9つの鍵をかけて厳重に封印されています。これを取り出すこと自体が、まさにパンドラの箱を開けるような危険な行為であり、世界の均衡を崩すリスクを伴うのです。
何のために作られたか
鶏を殺すためだけの武器
神話によれば、この武器の唯一の用途は、世界樹(ユグドラシル)の頂上に輝く雄鶏ヴィゾーヴニルを殺すことだとされています。この鶏が鳴くとラグナロク(終末)が始まるとも、逆に終末の目覚まし時計だとも言われており、レーヴァテインはその鳴き声を永遠に止める(あるいは逆に使うことで終末を引き起こす)ためのキーアイテムなのです。
スルトの炎との混同
ラグナロクの際、南から攻めてくる炎の巨人スルトが、世界を焼き払うために振るう「鹿の角(または炎の剣)」と、このレーヴァテインはしばしば同一視されます。現代のRPGで炎属性の最強剣として登場するのは、この「スルトの剣=レーヴァテイン」という解釈の影響が非常に強いでしょう。
まとめ
詳細が不明だからこそ、クリエイターたちの想像力を無限に掻き立てるレーヴァテイン。それは「世界を終わらせる何か」という、普遍的な破滅の象徴なのかもしれません。