カヴァチャ(鎧)とクンダラ(耳輪)。これらは『マハーバーラタ』の英雄カルナの代名詞であり、彼の肉体と一体化した、生まれながらの神造防具です。太陽神スーリヤの子としての証であるこの黄金の装備は、あらゆる物理的・魔術的な攻撃を跳ね返す、実質的な「不死」の加護を与えていました。
皮膚と一体化した鎧
決して傷つかぬ肉体
カルナがカヴァチャを纏っている限り、神々ですら彼を殺すことは不可能でした。それは着脱可能な装備ではなく、彼の皮膚そのものの輝きとして描写されます。最大のライバルであるアルジュナを擁護するインドラ神にとって、この鎧こそが攻略不可能な最大の障害でした。
慈悲ゆえの剥離
インドラの策略
インドラはバラモン僧に化けてカルナに近づき、施しとしてその鎧を要求しました。「施しの英雄」として懇願を断れない誓いを立てていたカルナは、正体を見抜いていながらも、自らの守りをナイフで皮膚ごと切り裂き、血まみれになってインドラに譲り渡しました。この高潔な自己犠牲こそが、カルナを真の英雄足らしめています。
まとめ
カヴァチャは最強の防御力を持つ防具ですが、それを脱ぎ捨てる勇気こそが、カルナという英雄の精神的な強さを証明する逆説的な装飾でもありました。