バルムングは、ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』において、竜殺しの英雄ジークフリートの愛剣として知られます。黄金の柄と青い宝石で飾られた美しい剣でありながら、巨竜ファフニールをも倒す破壊力を秘めていました。ゲームにおいては全体攻撃ができたり、強力な衝撃波を放ったりする武器として描かれることが多いですが、原典でもその鋭さは比類なきものでした。ニーベルンゲン族の秘宝であり、莫大な財宝と共に保管されていた呪われた遺産でもあります。その輝きは所有者を魅了し、破滅へと誘う魔力も秘めていたと言えるでしょう。
ニーベルング族の宝
報酬としての一振り
ジークフリートは、シュイルブンとニべルンクという二人の王の遺産争いを仲裁した礼として、この名剣を譲り受けました。しかし、王たちが約束を破ろうとしたため、ジークフリートは怒り、この剣で二人を斬ることになりました。最初から血なまぐさい経緯を持つ剣なのです。戦いの中で真価を発揮するものの、平和な時代には不釣り合いな武器かもしれません。
グラムとの関係
北欧神話の魔剣「グラム」と同一視されることが多いですが、物語によっては別物として描かれます。グラムが「折れた剣の打ち直し」であるのに対し、バルムングは最初から完成された剣として登場することが多いです。ワーグナーのオペラでは「ノートゥング」という名で呼ばれます。どちらも「必殺の剣」としての地位は揺るぎません。
ハーゲンの手へ
悲劇の結末
ジークフリートが暗殺された後、バルムングは仇敵ハーゲンの手に渡り、ニーベルンゲン族を滅ぼすために振るわれました。最後はジークフリートの妻クリームヒルトがこの剣を奪い返し、ハーゲンの首を撥ねて復讐を果たしました。英雄の剣が、最後は復讐の道具として使われたのです。この壮絶なラストシーンは、中世文学における最も印象的な場面の一つです。
まとめ
英雄の栄光と、血塗られた復讐劇の両方を見てきたバルムング。その輝きは、人間の欲望と愛憎を映し出しているようです。持ち主が変わるたびに悲劇が起こる、まさに運命を狂わせる剣なのです。