トロイア戦争のすべての原因は、彼の妻ヘレネが誘拐されたことでした。スパルタ王メネラオス。妻を奪還するために大軍を率いた彼は、地味ながらも堅実に戦い抜き、最後には妻と共に故郷へ帰還した、数少ない勝ち組英雄です。
メネラオスとはどのような英雄か?
スパルタの王であり、アガメムノンの弟です。絶世の美女ヘレネを妻としていましたが、トロイアの王子パリスに彼女を奪われ(駆け落ちされ)、これに激怒してトロイア戦争を起こしました。一騎打ちでパリスを圧倒するなど武勇にも優れていましたが、神々の介入でとどめを刺せませんでした。戦争終結後は、ヘレネを殺そうと剣を抜きましたが、彼女の美しさを見て許してしまい、仲良くスパルタへ帰りました。
伝説でのエピソード
変幻自在の老人
帰国途中、エジプトで足止めを食らったメネラオスは、海の老人プロテウスを捕まえて予言を聞き出そうとしました。プロテウスは獅子や蛇、水や木に変身して逃れようとしましたが、メネラオスは必死にしがみついて離さず、ついに屈服させました。
幸福な結末
多くのギリシャ英雄が悲惨な末路を辿る中、彼はヘレネと共に豊かに暮らしました。死後は神々の親族(ゼウスの義理の息子)として、楽園エリュシオンに迎えられたとされます。
後世への影響と言及
凡人の鏡?
アキレウスやオデュッセウスのような派手さはありませんが、目的(妻の奪還)を達成し、平和な老後を手に入れた彼は、ある意味で最も成功した英雄と言えるかもしれません。
映画『トロイ』
映画ではパリスやヘクトルとの対比で、粗暴な復讐者として描かれがちですが、原典では客人歓待の掟を重んじる常識人です。
【考察】その本質と象徴
執念の男
10年間戦い、さらに数年間漂流してでも妻を取り戻す。その執念と、最終的にすべてを水に流す寛容さ(というか美への弱さ)は、人間臭い魅力に溢れています。
まとめ
世界を敵に回しても取り戻したかった愛。その戦いの果てに、彼は安息を手に入れました。