インド国民に最も愛されている英雄といえば、間違いなく彼でしょう。叙事詩『ラーマーヤナ』の主人公にして、維持神ヴィシュヌの化身**ラーマ**。強大な魔王ラーヴァナを倒すスーパーヒーローであると同時に、父の理不尽な命令に従って森へ追放される、悲哀と高潔さに満ちた「理想の人間(王)」の物語を紹介します。
ダルマ(法・義務)の体現者
完璧すぎるがゆえの苦悩
ラーマは、息子として、夫として、王として、常に「正しい行い(ダルマ)」を貫きました。それは時に、愛する妻シータを民衆の噂のために追放するという、現代的な視点では残酷にも見える決断を彼に強いました。個人の感情よりも社会的役割を優先する彼の生き方は、インド道徳の規範とされています。
ラーヴァナとの決戦
神々の武器ブラフマーアストラ
妻を取り戻すための戦争で、彼は猿神ハヌマーンらと共に戦いました。最後は創造神ブラフマーの力を宿した最強の矢「ブラフマーアストラ」を放ち、神々ですら倒せなかった魔王ラーヴァナの心臓を貫きました。その武勇は、近年の映画『RRR』のクライマックスのモチーフにもなっています。
まとめ
ラーマは、単なる強い戦士ではなく、人生のあらゆる苦難において「人はどう正しく生きるべきか」を問いかけ続ける、インド精神の道標です。