ジブリ映画『天空の城ラピュタ』のヒロイン名の由来としても知られるシータ。彼女の元ネタはインド神話の女神であり、英雄ラーマの最愛の妻です。美と豊穣の女神ラクシュミーの化身とされ、大地(畝)から生まれたとされる彼女の人生は、波乱と悲劇、そして神としての威厳に満ちていました。
アグニ・パリークシャー(火の試練)
命がけの身の潔白証明
魔王の城から救出された後、夫ラーマは「長く敵の元にいたお前を受け入れ難い」と拒絶しました。シータは潔白を証明するため自ら火の中に飛び込みましたが、火神アグニが彼女を無傷で抱き上げて返し、その貞節を保証しました。このシーンはインド芸術で最も描かれる名場面の一つです。
大地への帰還
悲しき最期
しかしその後も民衆の陰口は止まず、ラーマは再び彼女を森へ追放します。数年後、双子の息子と共に再会したシータに対し、ラーマは再び証明を求めました。絶望したシータは母なる大地に「心に偽りがないなら私を受け入れてください」と祈り、割れた大地の中へと姿を消しました。彼女の物語は、無垢な者が被る不条理な苦しみを象徴しています。
まとめ
シータは、従順な妻の理想像であると同時に、理不尽な社会や夫に対して沈黙のうちに最大の抗議(消失)を行った、尊厳ある女性のシンボルです。