神々の王オーディンにも、もちろん母がいました。しかし彼女は神族ではなく、後に神々が敵対することになる「霜の巨人」の一族でした。彼女の名は**ベストラ**。神と巨人という異なる種族の混血によって世界支配者を生み出した、重要ながらも謎多き母について解説します。
神と巨人の融合
ボルとの結婚
ベストラは巨人ボルソルンの娘であり、アース神族の祖であるボルと結婚しました。この結合から、オーディン、ヴィリ、ヴェーの三兄弟が生まれました。つまり、北欧神話の主神たちは、実は半分巨人の血を引いているのです。この「血の矛盾」が、後のラグナロクへの伏線とも言えます。
賢者ミミルの叔母?
賢さのルーツ
一説には、知恵の泉の守護者ミーミルはベストラの兄弟(オーディンの叔父)であるとされます。オーディンが貪欲なまでに知識を求めたその資質は、父方ではなく、母方である巨人の血統(ベストラの一族)から受け継いだものなのかもしれません。
まとめ
ベストラは、異なる種族の血が混じり合うことで強大な力が生まれることを証明した存在であり、北欧神話の「神と巨人は表裏一体」というテーマを象徴する重要な母神です。