古代エジプトで最も栄えた都市テーベの守護神にして、神々の王の座に登り詰めたアメン。「隠れたる者」を意味する彼は、太陽神ラーと合体し「アメン・ラー」として絶対的な信仰を集めました。
アメンとはどのような神か?
アメンは元々は大気の神、豊穣の神でしたが、中王国時代以降に飛躍的に地位を高めました。不可視の風としての性質と、目に見える太陽(ラー)の性質を併せ持ち、エジプト帝国の国家神となりました。象徴動物は雄羊です。
神話での伝説とエピソード
神々の王
エジプトがオリエント世界を支配するにつれ、アメン神は「神々の王」という称号を得て、他国の神々(ゼウスなど)とも同一視されるようになりました。
ツタンカーメン
有名な少年王ツタンカーメン(トゥト・アンク・アメン)の名は「アメン神の生ける似姿」を意味し、アメン信仰復興の象徴でした。
現代作品での登場・影響
巨大神殿
カルナック神殿はアメン神に捧げられた史上最大級の宗教施設であり、当時の神官団の権力の強さを物語っています。
アーメン?
キリスト教の祈りの言葉「アーメン」の語源という俗説がありますが、これはヘブライ語由来であり、学術的には無関係とされています。
スフィンクス参道
ルクソール神殿とカルナック神殿を結ぶ約3kmの参道には、かつて数千体の「羊の頭を持つスフィンクス」が並んでいました。これはアメン神の聖獣が雄羊だからです。現在、この参道の修復が進んでおり、古代エジプト最大の神アメンの威光が現代に蘇りつつあります。
オペトの祭り
古代エジプトで最も重要な祭りの一つ「オペトの祭り」では、アメン神の像がカルナック神殿からルクソール神殿へと、船に乗せられて運ばれました。この期間、ファラオは神との絆を再確認し、自身の「カ(魂)」を再生させて支配力を強めたとされます。民衆にとっても、普段は見られない神の像を拝める貴重な機会であり、国全体が祝祭ムードに包まれました。
【考察】その強さと本質
見えざる支配者
姿は見えないが至るところに存在するというアメンの性質は、遍在する一神教の神の概念に近い高度な神学でした。
まとめ
エジプトの栄華の頂点に君臨した神。崩れ落ちた神殿の柱の影に、かつての威光が眠っています。