ティロサウルス(Tylosaurus)は、白亜紀後期の北米の海(西部内陸海路)を支配していた巨大なモササウルス類です。モササウルスと並んで最大級の海生爬虫類であり、その獰猛さと大きさから「海のティラノサウルス」と称されます。流線型の美しいボディと、獲物に体当たりするための硬い鼻先を持っていました。
鼻先の武器
学名は「こぶ(Tylos)のあるトカゲ」を意味し、鼻の先端が円筒形の骨の塊になって突き出していました。これには歯が生えておらず、文字通り「衝角(ラム)」として、サメや他の海生爬虫類の脇腹に高速で体当たりし、内臓を破壊して弱らせるために使われたと考えられています。知能的な狩りの戦術です。
何でも食べる
胃の内容物の化石から、魚、サメ、首長竜、海鳥(ヘスペロルニス)、さらには別種のモササウルス類まで食べていたことが分かっています。動くものは何でも襲う、当時の海の絶対王者でした。また、海に流された恐竜の死体をあさることもあったでしょう。
黒い背中
皮膚の印象化石から、背中は黒っぽく、腹は白いという、現生のサメやクジラと同じ「カウンターシェーディング」を持っていたことが判明しています。これにより、海中で姿を目立たなくさせ、獲物に忍び寄ることができました。
まとめ
ティロサウルスは、白亜紀の海の豊かさと残酷さを象徴する捕食者です。その鋭い目と強固な鼻先は、すべての海洋生物にとって恐怖の対象でした。