ハツェゴプテリクス(Hatzegopteryx)は、ルーマニアのハツェグ盆地で発見された超巨大翼竜です。ケツァルコアトルスと並び、史上最大級の飛翔生物とされています。特筆すべきは、彼らが生息していた場所が当時は「島(ハツェグ島)」であり、そこには大型の肉食恐竜がいなかったことです。そのため、ハツェゴプテリクスは翼竜でありながら、その島の「頂点捕食者」として君臨していました。
太く短い首
近縁のケツァルコアトルスの首が細長いのに対し、ハツェゴプテリクスの首は太く短く、筋肉隆々で非常に頑丈でした。これは、彼らが小動物をついばむだけでなく、自分と同じくらいの大きさの恐竜(マジャロサウルスなどの小型竜脚類)さえも襲って食べていたことを示唆しています。彼らは地上で「暴君」として振る舞っていました。
巨大な頭部
頭骨の長さは3メートル近くあり、幅も広く強大でした。そのくちばしは槍というよりは鉈(なた)やハンマーのようで、獲物を叩き伏せて飲み込むのに適していました。内部構造はスポンジ状の骨で軽量化されていましたが、強度は十分でした。
島国が生んだ怪物
通常、島のような閉鎖環境では動物は小型化する傾向(島嶼化)がありますが、ハツェゴプテリクスは逆にライバルがいない環境で巨大化し、地上の支配者の地位を埋めました。これは進化の不思議な巡り合わせです。
まとめ
ハツェゴプテリクスは、「空を飛ぶもの」の概念を覆すパワーファイターです。翼竜が、条件さえ揃えばティラノサウルスのような生態系の頂点に立てることを証明しました。