カルカロドントサウルス(Carcharodontosaurus)は、白亜紀中期の北アフリカに生息していた、最大級の肉食恐竜です。学名は「サメの歯を持つトカゲ」を意味し、ホホジロザメのような三角形で鋸歯(ギザギザ)のある鋭い歯を持っていたことに由来します。全長は12メートルを超え、ティラノサウルスに匹敵する巨体でした。
肉を切り裂く歯
ティラノサウルスの歯が「骨を砕く」ための太い杭のような形だったのに対し、カルカロドントサウルスの歯は「肉を切り裂く」ための薄いナイフのような形状でした。これにより、巨大な草食恐竜から肉を削ぎ落として出血させ、弱らせて倒す戦法を得意としていたと考えられます。頭骨も幅が薄く、軽量化されていました。
激戦区でのサバイバル
彼らが生きた北アフリカは、スピノサウルスや巨大ワニのサルコスクスなど、超大型の捕食者がひしめく恐ろしい環境でした。カルカロドントサウルスは主に陸上で狩りを行い、水辺のスピノサウルスと棲み分けることで共存していたようです。生態系のニッチ分化の好例です。
失われた標本
最初の化石は1920年代に発見されましたが、第二次世界大戦中の空襲で保管していたドイツの博物館が被災し、標本が焼失してしまいました。その後、長らく幻の恐竜でしたが、1990年代に再発見され、その巨大さが改めて証明されました。
まとめ
アフリカ最強の陸上ハンター、カルカロドントサウルス。その鋭い歯は、豊かさと危険が隣り合わせだった白亜紀アフリカの生態系を象徴しています。