鱗の代わりに「剛毛」に覆われたドラゴンをご存知でしょうか?フランスのアンジェ地方に伝わる「ペルーダ(La Peluda)」、別名「毛深い獣(The Hairy One)」は、ヤマアラシのような毒針の毛皮を持つ、非常にユニークで危険なドラゴンです。
針千本のドラゴン
触ることもできない
ペルーダの体は、緑色の長い毛で覆われていますが、それはフワフワした毛ではなく、**毒を持った鋭い棘(とげ)**です。ペルーダはこの棘を身体を振るって発射し、近づくものをあちこちから串刺しにしたと言われています。
川の怪物
ユイスヌ川の洞窟に棲んでおり、川に入っては身体の巨大さで水を溢れさせ、周囲の畑を水浸しにするという迷惑極まりない災害を引き起こしました。さらに口からは火を吐き、足で人間を踏み潰す、まさに歩く天災でした。
意外な弱点
尻尾の秘密
無敵に見えるペルーダですが、ある時、婚約者を食い殺された若者が復讐に挑みました。彼はペルーダの堅牢な毛皮を避け、唯一守りが薄い尻尾を一太刀で切り落としました。なんとそこがペルーダの急所であり、怪物はあっけなく死んでしまったとされています。
ゲームでのペルーダ
FFシリーズ
『ファイナルファンタジー』シリーズでは、この伝承に忠実に、物理攻撃に対してカウンターで針を飛ばしてくる嫌な敵として登場することがあります。「とげ」や「はりせんぼん」のイメージ元の一つです。
【考察】洪水のメタファー
暴れ川の象徴
「川に棲み、水を溢れさせる」「毛が生えている(=草や藻が絡まった流木や濁流)」という特徴から、ペルーダは頻発する河川の氾濫そのものを怪物化した存在だと考えられます。尻尾(川の支流や堤防の決壊点)を断つことで災害が収まったのかもしれません。
まとめ
ペルーダは、鱗竜だけがドラゴンではないことを示す、地域色豊かな「ご当地ドラゴン」です。そのトゲトゲしい姿は、荒れ狂う自然の近づきがたさを表しています。